【エンタメ総合】
高畑充希、朝ドラ出演で「人生って急に変わるんだな」 コロナ禍で女優活動に変化も

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』に出演する高畑充希 撮影:田中達晃(Pash)


 舞台、映画、ドラマとさまざまな場で女優として活躍する【高畑充希】。ミュージカル女優としてデビュー後、着実に実績を積み上げるなか大きく人生が変わったというのが、連続テレビ小説『ごちそうさん』。それ以降「イケイケドンドンだった」とフルスロットルで突っ走ってきた高畑が、コロナ禍での撮影となった映画『浜の朝日の嘘つきどもと』を経て、大きな心境の変化があったという。今年30歳を迎える彼女はいま、どんな思いを抱き、未来を見つめているのだろうか――。



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■朝ドラ出演で人生激変を経験「ある意味ですり減る部分はあった」



――ミュージカル女優としてデビューし、舞台で実力を磨いてきましたが、2013年に放送された連続テレビ小説『ごちそうさん』への出演は、女優として大きな転機となったのではないでしょうか?



【高畑充希】そうですね。あの作品を経験して「人生ってこんなに急に変わるんだ!」と思いました。『ごちそうさん』に出演してから、同じく連続テレビ小説の『とと姉ちゃん』(2016年)くらいまで、本当にいろいろなことが、大きく変わってフルスロットルで稼動したなって感じでした。



――その当時というのは、どんな感覚でお仕事をしていたのですか?



【高畑充希】すごく楽しかったのです。でも、ずっと緊張状態を保つというのは、ある意味ですり減る部分はあったのかなと思います。でもここ最近は少し変化して、とても落ち着いてきたんですよね。



――それはなにかきっかけが?



【高畑充希】昨年から今年にかけて、コロナ禍という状況もあり、撮影などもなくなって、自分のなかではすごく穏やかな生活をしていたんです。それがとても幸せな時間に感じたので、今は、あまり自らエンジンを掛けていくというよりは、流れに身を任せてみようかなという時期に差し掛かっている気がします。



――それでも作品の撮影は続いていましたよね?



【高畑充希】昨年の緊急事態宣言明け最初の現場が映画『浜の朝日の嘘つきどもと』だったのですが、撮影が福島ののんびりした場所で。東京の混乱から離れた所で、すごくゆったりとお仕事ができたんです。その後も、『明日の食卓』という映画や、『にじいろカルテ』というドラマの撮影だったのですが、どちらも田舎で森に囲まれた撮影で、本当にのんびりとすごく良い環境でお仕事ができました。いい意味でギラギラせず、本当に心穏やかな時間を楽しめたんです。もちろん、こんな時期だからこそエンタテインメントのために、エンジン全開でフル稼働されている方もいますが、私は無理せず、時の流れに身を任せようと……。



――いまは自分からはエンジンを掛けない?



【高畑充希】そうですね。昨年出演予定だったミュージカル『ミス・サイゴン』が延期になったときも「なんでできなかったの!」みたいな気持ちはまったくなくて。もちろん来年上演が決まったことは嬉しいし、また始まればミュージカル一色になると思いますが、タイミングというものがあるので、今は、自分の心と向き合って無理しないようにしています。とは言いつつ、飽きっぽい性格でもあるので、またメラメラと気持ちに火がついたときは、思い切りエンジンを掛けようかなとは思っています。



――今は、ある意味で充電期間ということでしょうか?



【高畑充希】種まきしながら水やりをする感じのタイミングなのかなと思っています。



――その種が芽を出した時、またもう一段ステージがあがるかもしれませんね。



【高畑充希】ここ数年、先輩方を見ていて思うのが、素敵だなぁと思うお芝居をされる先輩方は皆さん、お芝居だけじゃなくて人間力も凄い!ということ。もちろん経験値とか技術も関係するのかもしれませんが、それよりもどれだけ演じている方自身が素敵だったりするかに私は魅了されてしまうんだなあと…。だから、自分もいつか人間力のある面白い人間になりたいです(笑)。



――その意味では、心穏やかにのんびりとした今は、貴重な時間なのですね。



【高畑充希】仕事はもちろん楽しいのですが、そうじゃない部分で今のうちにいろいろなことを経験してみたいと思っています。30代は面白くやれたらいいですよね。



――『浜の朝日の嘘つきどもと』では、落語家の柳家喬太郎さんや、お笑い芸人の大久保佳代子さんと共演されています。とても面白い方々だったのではないでしょうか?



【高畑充希】非常に面白くて懐の深い大人の方々でした。俳優というお仕事は、いつどんな役に出会えるかが大きいような気がします。どんな人生を送り、どんなタイミングでどんな役に出会うのか…。そこで大きな化学反応が起こり、唯一無二の存在になれるのかなと思うんです。そのために、お二人みたいな豊かな人生を送れるようにしたいですね。



――面白い人間になるためには、どんなことが必要だと考えていますか?



【高畑充希】20代前半のイケイケドンドンだった時期と今では、面白さの概念が変わってきた気がします。出会う人も変わってきたと思うので、俳優だけではなく、いろいろな職業の方と出会い、好奇心をたっぷり持って、沢山のモノに触れ合っていきたいです。



■真っすぐな役に感じるギャップと憧れ、「のらりくらりと生きているので貪欲さが欲しい」



――主演を務めた『浜の朝日の嘘つきどもと』は、タナダユキ監督のオリジナル脚本のもと、映画への愛がヒシヒシと伝わる素敵な作品です。



【高畑充希】タナダ監督の思いが強く反映されている脚本だったので、私たちキャストは、その本の力に乗って進んでいけました。毎日すごく楽しく、ゆったりとした時間を過ごすことができました。



――高畑さん演じる茂木莉子は、映画への想いから映画館「朝日座」の存続に突き動かされ邁進する女性でした。莉子の強くて真っすぐな性格は、観ている側はとても感情移入しやすかったです。高畑さんと共通点はありましたか?



【高畑充希】割と真っすぐな役を演じることが多いのですが、私自身は曲がっているというわけではないですが、のらりくらりと生きているので、莉子ちゃんみたいに激しくなにかを求めて強く前に進める人は羨ましいなと思います。仕事で目の前にやることがあると、スイッチを入れることはできるのですが、自分がこうしたいとか、世の中を変えたいみたいなものはあまりないので、莉子のような貪欲さは欲しいなとは思いました。



――それでも、ミュージカルへの想いなど、熱い情熱を持っている印象です。



【高畑充希】海外で観たミュージカルに衝撃を受け、その面白さを日本の人にも知ってもらいたいという思いはありますが、だからといって自分でなにができるかというと難しくて。ご一緒した素晴らしい方々に乗っかってきたので、自分から発信していくみたいな巻き込む力はないんですよね。いつかはそうなれればいいんですけれどね(笑)。



――エンタテインメントの力がより問われる時代になってきたような気がします。その担い手として、今どんな思いをお持ちですか?



【高畑充希】自粛期間などで、ご飯に行ったりできないなか、私自身が映画などのエンタメに救ってもらっているという実感があります。つい自分がやる側の人間であることを忘れてしまうのですが、こういう時期だからこそ、しんどいときに救われるような作品を提供できる一員になれればと思っています。

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