【エンタメ総合】
乃木坂46 3期生・大園桃子がラストステージ 齋藤飛鳥が涙「よく頑張ったね」
アイドルグループ・乃木坂46が22日、マリンメッセ福岡で『乃木坂46 真夏の全国ツアー2021』福岡公演2日目を開催し、9月4日にグループ卒業と芸能界引退を控える3期生・大園桃子(21)の卒業セレモニーも行われた。本公演は生配信も実施された。
【写真】大園桃子&与田祐希が手をつないで歌唱 遠藤さくらとのコラボも
大園は2016年9月4日、乃木坂46の3期生オーディションに合格し、お披露目会見のフォトセッションでは暫定センターに。18thシングル「逃げ水」(2017年8月発売)では同期の与田祐希とともに初選抜、初センターを務めるなど、加入当初から大きな期待をかけられていた。グループ卒業日は、3期生が加入5周年を迎える節目の日を選んだ。
1期生の星野みなみは「もう、桃ちゃん! 桃ちゃんをまさか見送るなんて思っていなくて、嘘かなって、実感がわかなくて。3期生で最初に“みなみちゃん”って呼んでくれたのが桃ちゃんだから、他のメンバーよりも妹って感じが強くて。辞めるのやめて!」と寂しがる。
18thシングル「逃げ水」で大園とWセンターを務めた同期の与田祐希も地元・福岡に凱旋し「ただいま!」と喜びつつ、「今日で桃ちゃんがライブは最後。すごく心がぐるぐるしてるんですけど…一人で思い出を思い返していたんだけど、『逃げ水』の期間のことが一番に出てきた。桃ちゃんがいない『逃げ水』を思うとつらいんだけど、どうしたらいいかな?」と涙ぐんだ。
同期たちは3期生曲「トキトキメキメキ」でそれぞれのパートを歌いながら、両手で“桃”のポーズを作ってアピール。中盤では大園がお姉さんの顔になり、後輩の遠藤さくらをリードすると、2人で何度もアイコンタクトを交わしながらアコースティックギター弾き語りで「友情ピアス」を披露した。本編クライマックスの「逃げ水」では与田と手をつないで花道を歩き、歌い終えた2人は感極まって抱き合った。
アンコールの卒業セレモニーでは、大園が1人で登場。「言いたいことをちゃんと言えるように」と、気持ちをつづった手紙を読み上げた。鹿児島出身の大園は、3期生オーディションに合格したその日にいきなり“暫定センター”に選ばれて以来、大きな期待をかけられてきた。しかし、人前に立つのが苦手で、加入当初は極度の緊張で取材陣が心配するほど毎回泣いていた。
加入当時を振り返り「私は先輩に勧められ。乃木坂46を何も知らない状態でオーディションを受けてしまいました。よくわからないまま時間だけが進んでいき、気づいたら引き返せないところまで来ていました。乃木坂46が大好きで入ってきた子、覚悟を持って入ってきている子がたくさんいて、申し訳なくて、罪悪感があって、みんなの目をすごく気にしていたのを覚えています」と言って言葉を詰まらせる。「たくさんの人に注目していただける位置に選んでいただけたり、ありがたいことなのはわかっていたはずなのに、とてもとても怖かったです。自分で自分を責めることもたくさん。もともと自信がない私は本当に押しつぶされそうで、毎日生きることが精一杯でした」と言葉を振り絞った。
2019年には体調不良で活動休止したこともあるが、それでも5年間、活動を続けられたことに「今はよかったなと思うことができています。そう思えるのは、家族、メンバー、スタッフさん、ファンの皆様がたくさん励まし続けてくれて、引き止めてくれたから。本当に温かいグループだと感じることができました。ずっと見捨てず、守ってくれて、助けてくれて、本当にありがとうございました」と感謝した。
そして、「最初はみんなと違う気持ちで乃木坂46に入りましたが、5年間の活動を終えて、私は乃木坂46になることができました。これは表面的な意味ではありません。周りの力を借りながらではありますが、私は5年間頑張ってきたんだと、私自身が自信を持ってそう思えるようになったからです」と活動を総括。
「人はこんなにも変われるんだと驚くくらい、想像がつかないくらい、明るく物事を考えられるようになり、明るい気持ちで卒業できることをうれしく思います。大好きなみんなと過ごせたこの5年間をずっと宝物にしたいと思います。本当にお世話になりました。私は乃木坂46が大好きです」と結び、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
「3期生にとって大切な曲を披露させていただきたいと思います」と大園が切り出すと、同期たちが合流。万感胸に、3期生曲「三番目の風」「思い出ファースト」を12人で歌唱した。続けて、2018年の夏ツアーで齋藤飛鳥と歌った思い出の曲という「やさしさとは」では、3期生、4期生、2期生、1期生の順に大園をセンターにして歌った。
■1期生・齋藤飛鳥が涙「力不足な先輩で本当にごめんね」
大園の葛藤を見てきた齋藤は「桃子、直接ずっと言いたかったことがあります。桃子が『乃木坂46も悪くないな』って言ったとき、桃子があの言葉を言った気持ちが痛いほどよくわかりました。だけどあのとき、あんなに近くにいたのに、何で私の力で『乃木坂っていいな』って思わせられなかったんだろうって、ずっと心残りでした。力不足な先輩で本当にごめんね」と、ドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』(2019年公開)で映し出されたシーンを振り返りつつ涙ながらに伝えた。
続けて「最近、楽しそうに活動している桃子を見て、すごくうれしく思っていました。今日ここで初めて言わせてください。桃子、よく頑張ったね。卒業おめでとう」とねぎらうと、大園は号泣。メンバーが歌い続けるなか、2人は抱き合い、会場もネットも感動に包まれた。
4期生からは大園にあこがれて乃木坂46に入ったという筒井あやめ、2期生からは「これからは親友としてよろしくね」と伝えた北野日奈子、1期生からは再び齋藤がメッセージ。最後に同期を代表して梅澤美波がマイクを握ると「桃子、卒業おめでとう。本当に5年間、よく頑張ったね。5年間ずっと、3期生のセンターでいてくれて本当にありがとう」と涙ながらに伝え、「桃子はあまりアイドルを見ずにここに来たから、自分とアイドルとのギャップにすごく悩んできたと思います。でも、桃子は誰よりもステージが似合う、最強で最高にかわいいアイドルだったと思います」と続けた。
最も近くで見てきただけに「もうちょっと早く卒業するタイミングがあったかもしれないけど、ここまで続けてくれて本当にありがとう」と思いやると、「卒業を初めて聞いた日から何度も何度も止めてごめんね。でも、桃子は私にとって、本当にいなくてはだめな存在だったから」と大切な存在だったことを吐露。「これから桃子がいない中で過ごすことを考えるとすごく寂しいけど、私たち3期生11人になっても頑張るから、ずっと見ててね。そして、本当に誰よりも幸せになってください」と送り出した。
キャプテンの秋元は「まさか3期生を送り出すと思ってなかったからさ」と本音をぽろり。大園が「本当に申し訳ないです」と泣くと、秋元は「そんなことないよ。桃子はめちゃめちゃ頑張ったから。ここまで残ってくれて、乃木坂を好きになるまで続けてくれてありがとうってみんな思ってるから」と温かい言葉をかけた。観客が「桃子 5年間ありがとう」のメッセージを一斉に掲げると大園はパッと笑顔になり、この日2回目となる「逃げ水」でラストライブを締めくくった。
大園は「本当にもう思い残すことはないので、これから先、いろいろなことがあると思うんですけど、そんなに心配せずに…今まではたくさん心配をかけてきたんですけど、そんなに心配せずに、遠くで頑張ってるかなって思ってくれたらうれしいです。本当に今までありがとうございました」と言い残し、笑顔でステージをあとにした。
■『乃木坂46 真夏の全国ツアー2021 ~福岡公演~ DAY2 大園桃子卒業セレモニー』セットリスト
OVERTURE
01. 太陽ノック
02. ロマンティックいか焼き
03. あらかじめ語られるロマンス
04. 13日の金曜日
05. 裸足でSummer
06. 他人のそら似
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
08. ~Do my best~じゃ意味はない
09. ファンタスティック3色パン
10. 制服を脱いでサヨナラを…
11. 空扉
12. Against
13. I See…
14. アナスターシャ
15. トキトキメキメキ
16. ひと夏の長さより…
17. 他の星から
18. 友情ピアス
19. 生まれたままで
20. My rule
21. 世界で一番 孤独なLover
22. 何度目の青空か?
23. 逃げ水
24. ガールズルール
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