【映画】
若き日のデヴィッド・ボウイ役にジョニー・フリンが選ばれた理由
音楽史にその名を刻むデヴィッド・ボウイの若き日の姿、キャリアのターニングポイントとなった5作目のアルバム『ジギー・スターダスト』(1972年)誕生の舞台裏を描く映画『スターダスト』(10月8日公開)より本編映像が解禁された。公開されたのは若き日のデヴィッド・ボウイが初のアメリカツアーに臨む前のマネージャーやメンバーとの会話を切り取ったシーンだ。
【動画】映画『スターダスト』本編映像
アルバム『世界を売った男』が完成し、イギリスのみならずアメリカでのヒット間違いなしと期待に胸を膨らませるデヴィッドたち。今後の展望を相談しに事務所に訪れた彼らに対し、マネージャーは絶賛を惜しまない。
「ツアーをしなきゃな、全米を沸かす」と意気込むデヴィッド・ボウイ、同席していた最初の妻であるアンジーやミック・ロンソンらに、マネージャーは伝える。アメリカのマーキュリーレコードの評は「挑戦的だ」と。その評に喜ぶボウイたちだったが、マネージャーはアメリカで彼らの音楽が全く受け入れられなかった事実を突きつける。
世界的大スターになる前の“デヴィッド・ボウイ” の姿を描いた本作の監督ガブリエル・レンジは、ボウイ役に俳優兼ミュージシャンのジョニー・フリンを選んだ理由として「迷走中の駆け出しアーティストの気持ちを理解できる俳優を優先的に探していた」と明かしている。
そして、自身のバンド・JOHNNY FLYNN & THE SUSSEX WITで世界ツアーの経験もあるジョニー・フリンは「本作で描いているボウイはまだ駆け出しで自分の声を探している最中だ。私もミュージシャンとして実際にツアーをしたり、ステージで演奏をした経験はある。バンドを結成する大変さを知っているから、私が演じることである意味、効果があったと思う」と自身と共通する部分を振り返る。
また、「新しい曲や、アルバム、新しい音を持ってステージに立つ怖さを知っている。作中で使われている幾つかの曲は、撮影前にレコーディングすることができた。ボウイとしてスタジオでレコーディングできたのは、いい準備運動になった」と本作への楽曲提供も行っているからこその貴重な体験も語っている。
■ジョニー・フリン
オータム・デ・ワイルド監督『EMMA エマ』、英国アカデミー賞受賞『BEAST(原題)』、Netflixシリーズ『恋愛後遺症』、ITV『Vanity Fair(原題)』に出演。エミー賞受賞のテレビシリーズ『ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン』では批評家選出テレビ賞にノミネート。直近ではサイモン・ストーン監督のNetflix映画『時の面影』、ジョン・マッデン監督の『Operation Mincemeat(原題)』、スティーヴン・ザイリアンのテレビシリーズ『RIPLEY(原題)』に出演。マラキ・スミス監督のミュージカル映画『The Score(原題)』では出演と、楽曲提供も行っている。舞台ではサム・シェパードの「TRUE WEST」や「ハングメン」「TWELFTH NIGHT/RICHARD III」「JERUSALEM」などに出演し、いくつもの賞にノミネートされている。JOHNNY FLYNN & THE SUSSEX WITでは4つのアルバムをリリースしている。