【映画】
“ダニエルボンド”最後のワールドプレミア 恒例の英国ロイヤルファミリーも来場

ロンドンで恒例のワールドプレミア開催=映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(10月1日公開)(C)Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.All Rights Reserved.


 「007」シリーズ 25作目、シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(10月1日公開)。度重なる公開延期の末、007ご当地のイギリスで世界に先駆けて現地時間9月30日から公開される。現地時間で9月28日夕方(日本時間29日未明)には、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにてワールドプレミアが開催。本作でジェームズ・ボンド役が最後となる主演ダニエル・クレイグをはじめキャスト、スタッフが勢ぞろいし、007ワールドプレミアといえば恒例の“英国ロイヤル”ゲストとして、チャールズ皇太子とカミラ夫人、ウィリアム王子とキャサリン妃も来場した。



【動画】ダニエル・グレイグが中継で登場 イベント映像



 アルバート・ホールはイギリスのヴィクトリア女王の夫であるアルバート公にささげられた演劇場で、1871年の開場以来、多くのイベントが行われ伝説的人物を生み出し、「ザ・ネイションズ・ヴィレッジ・ホール」と呼ばれる由緒あるホール。アルフレッド・ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』の劇中での舞台にもなった場所だ。今回、コロナ禍の規制で150人ほどの人数に制限されていた会場には、通常のプレミアとは異なり、会場での試写に招待されたスーツやドレス姿のファン、中には医療関係者もいたという。



 会場の前には、80メートルほどのレッドカーペットが鮮やかに敷かれ、マーチングバンドが歴代のボンド映画のテーマソングを奏でて行進をし、ムードを盛り上げた。また、ボンド映画に欠かせないアストンマーチンのDB5やV8などの車、トライアンフなどのバイクなどが展示され、気分が最高潮に高まる中、ダニエル・クレイグらキャスト・スタッフが続々来場。



 最凶の敵サフィン役のラミ・マレック、ボンドの恋人マドレーヌ役のレア・セドゥ、ボンドの相棒となるキューバの工作員アナ・デ・アルマス、00エージェントのラシャーナ・リンチ、ダニエルボンドシリーズおなじみのQ役ベン・ウィショー、マネーペニー役のナオミ・ハリス、M役のレイフ・ファインズ、フェリックス・ライター役のジェフリー・ライト。



 シリーズ史上初の米国人監督であるキャリー・ジョージ・フクナガ監督、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン、さらに主題歌「No Time To Die」でグラミー賞最優秀映像作品楽曲賞を受賞したビリー・アイリッシュと兄のフィニアス・オコネル、音楽担当のハンス・ジマーもレッドカーペットに登場。さらに、ジェイソン・モモアや、女性初で3代目のMを務めたジュディ・デンチらも駆けつけ、会場を沸かせた。



 ゲスト達は、フォトセッションやメディアへのインタビュー、ファンとの交流、ステージでのインタビューに答え、会場へと移動。カーペット上が静かで厳かな雰囲気となった後、ウィリアム王子とキャサリン妃が登場し、待ち受けていた本作のプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリとマイケル・ウィルソンと談笑するシーンも。その後、チャールズ皇太子とカミラ夫人が登場し、プロデューサー4人がエスコートし、兵隊が左右に並ぶ中、会場へ入っていった。



■ダニエル・グレイグ「 この日を迎えられたことに本当にホッとしている」



 会場ではキャスト、監督、プロデューサーらが日本のカメラの取材に応じてくれた。本作で15年間演じ続けてきたジェームズ・ボンド役を遂に卒業するダニエルは、度重なる公開延期を経て、ついに集大成となる作品が公開されることについて「僕たちは映画を観る観客のために映画を作るわけで、それこそが僕たちがボンド映画を作る理由なんだ。幅が30フィート(=9.1メートル)のビッグスクリーンで観てもらいたいね。一同が待ったわけだが、待ったのは幸いだった。もちろんコロナ禍でさまざまなことが止まってしまったので、もし他の形で公開になったならそれは仕方のないことだっただろうが、 この日を迎えられたことに本当にホッとしているよ」と、安堵の表情を見せた。



 また、コロナ禍において世界的にも久々の華やかなイベントについて「刺激が強すぎる(笑)。でも素晴らしいよ。ここまで来られたことにとても興奮している。僕はただみなさんにこの映画を観てもらえるのが待ちきれないだけだ」と、興奮気味に語った。そして、「日本のファンのみなさん、日本に行けないのが残念だ。日本はこの地球上で僕が最も好きなところのひとつなんだ。(日本語で)アリガトウゴザイマス! また近いうちに会えることを祈っているよ。」と、コメントを寄せた。



 本作のメガホンをとったキャリー・ジョージ・フクナガ監督は「祝う時が来たと感じるね。大いに安堵しているし、とにかくいい気分だよ」と感無量の様子。実は、フクナガ監督は日本(札幌)に半年間住んでいたこともあり、「ぜひまた日本に行きたいよ。日本に行くというのはプレスツアーの中でも最も好きなことなんだ。実は本作の撮影が終わったあと、行こうとしていたんだが、日本はかなり早い段階でロックダウン(※監督のコメント)となってしまった」と、日本への愛着をのぞかせ、「ボンド映画を楽しみにしていらっしゃる日本のみなさん、本作を楽しんでくださることを心から願っています。近いうちに会えますように」と、日本のファンに向けてメッセージを送った。



 ボンドにいつも振り回されながらも健気に支え、ボンドに秘密兵器を与えるQ役のベン・ウィショーは「日本のみなさん、こんにちは! 2年も経ったあと、ついにこの映画をみなさんに観てもらえる機会が訪れたと言えることがうれしい(笑)。気に入ってもらえることを祈っているよ。そしてビッグスクリーンでぜひ観てもらいたい。この映画はそのために作られたのだから。ありがとう」と、2年の時を経てついに観客に観てもらえる日が来たことを心から喜んでいるようだった。



 「007」シリーズに欠かすことのできないプロデューサーのバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンの2人は「私たちがここロンドンにいるというのはとても重要なことです。かれこれ60年前にボンドが始まったのはこの地であるわけですからね。本作はダニエルの最後の作品ですから、彼とのお別れを良い形でお祝いしたいと思うのです」と、ボンド発祥の地であるロンドンでワールドプレミアを開催できたこと、そして最良の場所でダニエルボンドとのお別れをお祝いができることに感慨もひとしお。



 続けて「本作を劇場で観てもらえるようにと、我々は2年間もずっと待ち続けたんです。映画館で観るべき映画で、そのようにプロデュースしてきました。監督であるキャリーをはじめ、本作に携わった一同は、映画館で観ることを念頭に置いて作ったのです。ですから観客の皆さんにぜひ映画館でご覧いただきたいと思います」と、アピール。



 コロナ禍の中でようやく映画が公開される喜びとともに「ダニエル・クレイグはもちろんのこと、このパンデミックを乗り切るために尽力された前線で働く医療従事者の皆さんをも称えるものなのです。彼ら、そしてこの困難なときに私たちの安全を守るために努めてこられた世界中の人々に敬意を表します」と、感謝した。



 最後に「日本に行くことができないのが残念です。日本に行くというのは、私たちにとっていつもツアーのハイライトなのですから。毎回素晴らしい体験で、みなさんには歓迎していただいてきました。ボンド映画を愛してくださっているのを知っていますので、いつも喜んで訪れています。また別の機会にお会いしましょう。ありがとう」と日本のファンに向けて温かいメッセージを寄せていた。

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