【映画】
『グーニーズ』子役キー・ホイ・クァンがスクリーンから姿を消した理由と復帰のきっかけ

ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)=映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 (C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.


 「第95回アカデミー賞」で最多となる10部門で11ノミネートされている映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(略称:エブエブ、3月3日公開)。中でも注目を集めているのは、本作への出演をオーディションで勝ち取り、約30年ぶりのスクリーン復帰作で、ゴールデングローブ賞含む本年度の賞レースを総なめにしているキー・ホイ・クァンだ。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)、『グーニーズ』(85年)に登場した子役で、当時一世を風靡した彼がこつ然とスクリーンから姿を消した理由、そして復帰のきっかけとは?



【動画】キーのまるでブルース・リー(!?)な本編映像



 『エブエブ』でキーが演じるのは、アメリカで破産寸前のコインランドリーを経営するワン一家の大黒柱、ウェイモンド。ボケた父の介護に、反抗期の娘、さらに国税局からイチャモンをつけられ爆発寸前の妻、エヴリン(ミシェル・ヨー)の尻に敷かれるダメ夫ながらも、バラバラになりそうな家族の絆を何とかつなぎとめようと奮闘する優しい男だ。



 しかし、別の宇宙を生きる自分(アルファ・ウェイモンド)に体を乗っ取られ、事態は急展開! 突如、全宇宙をカオスに陥れる巨悪から宇宙を救うハメになったエヴリンに、別次元の自分のスキルにアクセスできる能力“バース・ジャンプ”を叩き込み、エヴリンとともに全宇宙の命運を掛けた壮絶な戦いに挑んでいく。



 80年代を代表する『インディ・ジョーンズ』『グーニーズ』の最もアイコニックなキャラクターを演じたにもかかわらず、その後は役者としての仕事を見つけるのに苦労したというキー。しかし、ジョージ・ルーカスなどを輩出した南カリフォルニア大学に進学して映画制作について学び、『X-MEN』の格闘シーンの振り付けや、木村拓哉も出演したウォン・カーウァイ監督の『2046』で助監督を務めるなど、スクリーンの裏側で活躍し続けていた。



 約30年もの間ハリウッドから離れていたキーだったが、ミシェル・ヨーも出演した『クレイジー・リッチ!』(2018年)を観たことをきっかけに、映画復帰を考えたという。「あの映画を見て、自分にこう言ったんだ。“また俳優の仕事に戻りたいのなら、今がその時だ。時代は変わったのだから”とね」と、本作への出演が運命としか思えないドラマティックなエピソードを明かしている。



 あわせて解禁となった本編映像では、妻を守るため、アクションスターさながらのパワーを持つ、別の宇宙の自分にアクセスしたウェイモンドが、身に着けていたウェストポーチを外したかと思うと、ポーチをヌンチャクのようにブン回し、まるでブルース・リーさながらのアクロバティックなカンフー技で敵を一掃! アクション指導の経験もあるキーが、人生に無駄なことはない、と言わんばかりに輝いて見える。



 本作で、優柔不断のダメ夫、キレキレのアクションスター、ウォン・カーウァイ監督の『花様年華』を彷彿とさせるダンディなイケオジまで、別の並行世界(バース)から来たさまざまなウェイモンドを演じきったキー。彼の魅力にまた世界中の映画ファンが恋している。



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