【映画】
『ストレンジャー・シングス』でブレイク、セイディー・シンクの新たな魅力が開花

映画『ホエール』(4月7日公開)場面写真(C)courtesy of A24


 『ハムナプトラ』シリーズや『センター・オブ・ジ・アース』の主演を務めるも、プライベートでの不幸が重なりハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていた俳優のブレンダン・フレイザーが、体重272キロの男にふんし、先月の「第95回アカデミー賞」で主演男優賞を初受賞する“復活劇”で注目を浴びている映画『ザ・ホエール』(4月7日公開)。本編より、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シリーズで知られるセイディー・シンクが演じる娘エリーと主人公が口喧嘩するシーンの映像が解禁となった。



【動画】映画『ザ・ホエール』父娘が口喧嘩する本編映像



 本作は、ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー(ブレンダン・フレイザー)が、自分の死期を悟り、家庭を捨てて以来、別れたままだった娘エリーとの絆を取り戻そうとする最期の5日間を描いた物語。



 エリーは、幼い頃に愛する父から捨てられた経験がトラウマとなり、17歳になった今、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱えていた。解禁されたのは、数年ぶりに再会した親子の複雑な関係性が垣間見えるシーン。怒りに身を任せて生きるエリーにチャーリーは、「世界中に向かって怒る必要はない。僕だけに怒れ」と自身を犠牲にしてアドバイスをするが、この言葉にエリーは激怒。「私をゴミみたいに捨てて、8年後に父親ぶるの?」と、言い放つ。



 ほぼワンシチュエーションの会話劇という構成である本作では、せりふが最大の魅力にもなっている。対立する父と娘は言葉の使い方も相反しており、大学でエッセイの講師をするチャーリーは言葉を用いて人々を癒そうとするが、反対にエリーは言葉を反抗するための武器として使う。



 ブレンダンは、本作の脚本家であり、原作戯曲の作者でもあるサミュエル・D・ハンターが書いたせりふに惚れこんだといい、「サムは現実の生活を詩にする。彼の物語には必ず価値観と目的がある上に、活き活きとしたユーモアあふれる率直な言葉を書く才能があるんだ」と彼の言葉に信頼を寄せている。



 そして、ブレンダンの熱演にひるむことなく堂々と立ち向かっているセイディーについて、ダーレン・アロノフスキー監督とブレンダンの二人は「彼女は将来素晴らしい役者になる」と声をそろえてその仕事ぶりを絶賛している。



 ところが、セイディー自身は「実はブレンダンが出演している映画を1本も見たことがなかった」と告白しており、それゆえに撮影現場で緊張せずいられたと振り返っている。



 エリーのキャラクターについても、彼女の生い立ちから性格を想像し、「彼女は人生の大半を、父親を悪者にして生きてきた。父がいなくなってから、エリーと母親の人生は負のスパイラルに陥ってしまい、それが今でも続いているから、エリーは父親を傷つけるためにチャーリーのアパートに来たんだと思うの。『見てよ、私はこんなに嫌な人間になっちゃった。あんたのせいよ』と、自分が父親に心を傷つけられたのと同じように彼を傷つけたい。もしかしたら、父親が良い境遇にないのを見て、少しスッとしてさえいるかも。父親が苦しんでいるからといって、優しくする気は毛頭ない。父親に対して言うべきことがあり、それをはっきりと言う芯が通った女の子なのよ」と、解説している。



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