【映画】
映画『山女』福永壮志監督、山田杏奈の起用理由は「佇まい」と「目の奥の輝き」“さとり世代”と共通点も

山田杏奈主演、福永壮志監督作『山女』6月30日より全国順次公開 (C)YAMAONNA FILM COMMITTEE


 柳田國男の名著「遠野物語」から着想を得た映画『山女』(6月30日公開)で主演を務める山田杏奈の魅力を、メガホンをとった福永壮志監督が語る。あわせて、山田の出演場面&メイキング写真が解禁となった。



【動画】映画『山女』遠野の方言で会話する山田杏奈たち



 18世紀後半の冷害に喘ぐ東北の寒村を舞台に、『リベリアの白い血』『アイヌモシリ』で民族やルーツにフォーカスを当ててきた福永監督と、劇作家で、連続テレビ小説『らんまん』(NHK)を手がける長田育恵の共同脚本で、現代につながる社会の歪みとそこに生きる人々を描いたオリジナルストーリー。山田は、先代が犯した罪により村の人々から蔑まされながらもたくましく生きる主人公の凛を演じた。



 これまで山田は、初主演を飾った『ミスミソウ』(2018年)では凄惨ないじめを受け、復讐に燃える難役を演じきり、『小さな恋のうた』(19年)では「第41回ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞受賞、その後、『樹海村』『彼女が好きなものは』『ひらいて』(21年)などの主演作が続き、今最もスクリーンに愛される俳優の一人だ。



 山田を起用した理由について、福永監督は「佇まいです。どこか野生的で、この映画の世界観の中で地に足をつけて生きられる存在感を持っていると思いました」と説明。続けて、「もう一つは目の奥の輝きです。どんなにつらい経験をしても消えない目の輝きには、何が起きても動じないような芯の強さが感じられて、映画の観客にとっての希望にもなると思いました」と、山田の佇まいと眼差しに、理不尽な逆境をも運命として受け入れ、自分の生き方に目覚めていく凛にふさわしい資質を見出したと話している。



 一方、山田は自身が演じた凛について、「私が凛に感じたのは、あきらめの精神みたいなものです。どん底にいるから、そもそも人間に期待をしていない。その感覚は現代の若い世代にもつながる気がします」と言及。「私も“さとり世代”と呼ばれる世代で、わりとそういうところがあるんですよ。何かをあきらめているからこその強さもあると思うんです」と、凛との共通点を明かしている。



 解禁された写真は、福永監督からの演出指導に真剣に耳を傾ける様子や、監督と談笑しとびきりの笑顔を見せるメイキングカットに加え、力強い眼差しで何かを凝視している凛の表情と、山の中で木漏れ日に包まれ佇む凛を写した神秘的な一枚となっている。

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