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RIZAPグループ、chocoZAP好調で5年ぶり増収 今期200億円投資も 有人サービス大幅増強に瀬戸社長「いまはサービスの過渡期」

RIZAPグループ代表取締役社長 瀬戸健さん(写真/片山よしお(C)oricon ME inc.)


 RIZAPグループは15日、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)連結業績のオンライン説明会を開催。当期の売上収益は1662億9800万円(前期1545億5000万円、前期比7.6%増)、営業損失は5億9400万円(前期49億4800万円の損失)、当期損失は43億円(前期126億7300万円の損失)と前期から大幅に業績を改善させた。chocoZAPの全国普及による出店投資効率向上や集客コストの改善により事業が本格収益化し、グループ全体で営業損失が改善し、5年ぶりの増収を達成している。



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◆満足度向上のために200億円投資 有人サービスを大幅増強



 chocoZAPは現在、会員数120万人(5月15日現在)、店舗数1500店となり、全国47都道府県への出店を達成。2022年7月にサービスをスタートしてから、23年11月度に黒字転換し、全店に占める単月黒字店舗は83%(24年3月)。黒字化構造への早期転換により、グループ売上に大きく貢献している。



 今期はchocoZAPの満足度向上へのサービス進化を目的にする投資200億円を前倒しで実行。内訳は、新規店舗出店に100億円、既存店舗への新サービス導入に30億円、「ちょこっとサポート」と「コンシェルジェ」に70億円を投資する。



 RIZAPトレーナーによる店舗での顧客サポートや清掃、マシーン故障対応の「ちょこっとサポート」は、現状の100人から500人体制へ大幅増員。さらに、困りごと相談や利用継続フォローなどのコールセンター顧客サポートを行う「コンシェルジェ」を100人体制でスタートさせる。



 無人サービスでの低コストを実現してきたchocoZAPだが、有人サービスが増えていくことに対して、オンライン決算説明会に出席した代表取締役社長の瀬戸健氏は「いまはサービスの過渡期にあります」と説明。



「ユーザーが快適に利用できるサービス環境の提供が、まずやるべき順番と認識しています。サービス利用者が増え、新たなサービスがどんどん加わっていく中、無人か有人かのゼロイチではなく、サービスの進化に合わせてデジタルと人を組み合わせながら、最適解を常に検証しつつ進めていきたい。ただ、ローコスト運営によってもたらせるサービス金額がありますので、人とデジタルの役割分担など効果的な運用を探っていきます」(瀬戸社長)



◆品質向上と普遍的なサービス提供によるユニバーサルサービス化 chocoZAPとの連携でRIZAP入会者も増加



 今後のchocoZAPの構想として、ユニバーサルサービス化へのフェーズシフトを掲げた。



 これまでがジムのバリアフリー化とする「フェーズ0」となり、コンビニジムのコンセプトの確立とともに全国1500店舗と会員120万人を達成。スタートから14ヵ月目で黒字化し、中期経営計画での目標だった18ヶ月目を前倒しして投資回収期に入っている。



 これからが、品質の向上と普遍的なサービス提供へのユニバーサルサービス化とする「フェーズ1」。「ちょこっとサポート」と「コンシェルジェ」による人とDXの最適化、既存店舗への新サービス導入強化、追加料金なしで多様なサービスを提供することによるエントリー層への普及を掲げる、投資期になる。



 そして、その先に目指すのが、豊かで充実した生活の基盤となる健康社会のインフラ化。chocoZAPが健康ソリューションに欠かせないプラットフォームとして浸透し、官民連携による地方創生の実現、外部企業との協業によるデータ蓄積などから、ウェルビーイングをサポートするサービスとしての進化の継続を掲げる。



 一方、今期は会費以外の収入となるchocoZAPパートナー事業も順調に拡大している。店舗に設置される3万台以上のタブレットへの広告配信やアプリバナーには23社の広告が入り、店舗での商品サンプリングでは3〜4月で30万個、夏までに70万個を提供予定。企業からの引き合いは増えているという。



 chocoZAPとRIZAPの連携も進んでいる。chocoZAP会員からのRIZAPボディメイク入会が増えており、24年3月期第4四半期でRIZAP入会者の16.2%がchocoZAP会員。



 店舗利用情報のデータ活用については、アプリのAIアドバイザーの強化に向けた共同研究を東京医科大学らと進めている。睡眠による減量効果や食事時刻と体重変動の相関や因果関係を研究し、AIアルゴリズムの共同開発を行っている。



◆海外展開もテストマーケティングにも手応え 外部連携で生まれる新たな事業の拡大を計画中



 今期のchocoZAP新サービス導入の効果については、利用者数が1.23倍、来館回数が1.11倍、入会者数が1.56倍といずれも向上。こうした結果に加えて、利用者からの声も寄せられ、6月末時点の新サービス導入店舗数をカラオケ300店舗(当初20店舗予定)、洗濯・乾燥機400店舗(当初70店舗予定)、ピラティス700店舗(当初100店舗予定)と大幅増加を決定した。



 これらの投資を25年上期に実施することで、25年3月期は売上収益1777億円、営業利益63億円(最終利益20億円)の増収増益を見込む。さらに中期経営計画目標の26年3月期・営業利益300億円、27年3月期・営業利益400億円の達成に向けて取り組んでいく。



 なお、会見最後の質疑応答で瀬戸社長は、海外展開について「台湾、北京、香港などで現地のテストマーケティングを実施中。すでに力強い手応えを得ており、早期の出店に向けて準備中です」と答えた。



 また、chocoZAP以外の事業展開については「chocoZAP会員のメインである運動ライト層や初心者がトレーニングに慣れてくるところに新しいニーズが生まれます。そういったサービスを準備している最中です。すでに、chocoZAPから広告やサンプリングが生まれていますが、これからも周辺に新たなサービスが生まれていくでしょう。フェーズ2では外部との連携からの新たな事業の拡大を計画しています」と話した。



 chocoZAPはこの1年、驚くべきスピード感でサービス内容を拡大、充実させてきた。今期はそれを続けながら、同時に顧客満足度向上のために有人サービスを拡充することが、まず新たなステップとなる。そこからの効果がポジティブに表れれば、より大きな成長カーブを描いていくことになるかもしれない。

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