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美容・医療にカラオケも…RIZAP瀬戸社長、chocoZAPサービス過多に言及 トレーナー大幅増員は「無人か有人かのゼロイチではない」

RIZAPグループ代表取締役社長 瀬戸健さん(写真/片山よしお(C)oricon ME inc.)


 2024年3月期決算で5年ぶりの増収を達成したRIZAPグループ。その起動力となったのが、会員数120万人、店舗数1500店(全国47都道府県へ出店)を達成し、黒字化構造へ早期転換したchocoZAP。MRI検査やカラオケなど、フィットネス領域を越えたサービスを続々導入する中、代表取締役社長の瀬戸健氏に展望を聞いた。



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◆「会員数は有限」に定義は変えるべき 必要とされる領域をどこまで高められるかが重要



――サブスク型ビジネスモデルのchocoZAPは、サービス開始時は出店コスト等による赤字でしたが、売上・利益の積み上げにより単月黒字化。その急成長で5年ぶりにグループ増収となりました。



【瀬戸社長】 グループとして大きな赤字を出して以降の増収です。当時は会社の売却や事業整理など、どちらかというと“守りの姿勢”を迫られた中で、やらなくてはいけないことがありました。その整理を進めながら、次の成長への形としてchocoZAP事業が成果を示したと認識しています。「5年ぶり」が長かったのか短かったのかについては、この期間は売上を求めていたわけではないので、そこへの意識は特にありません。



――chocoZAPは、当初はスタートから18ヵ月目での黒字化を想定していましたが、14ヵ月目で達成しました。早期黒字化の最大の要因は、どのように考えていますか?



【瀬戸社長】 当初の予想以上に多くの反響をいただき、早期に1000店舗以上まで店舗数を伸ばせたことで、規模の経済が働いて1店舗あたりのコスト構造を大きく下げることができました。また、初期は店舗設備費のほか、広告宣伝費やヘルスウォッチや体重計などの費用など、どうしてもコストが大きくかかりますが、半年でほとんどの店舗が黒字化していきます。そういう店舗の比率が高まったことが事業黒字化の大きな要因です。



――サブスク型ビジネスモデルの場合、一定数まで行くと伸び率が停滞することがあります。この点についてはどのようにお考えでしょうか?



【瀬戸社長】 利用者の役に立てる可能性をどれだけ広げられるかだと思います。特定の方だけに必要とされるのではなく、誰からも必要とされるサービスに変化していけるのか。日本でのフィットネスユーザーは、人口の3%しかいません。我々は、日頃の健康や運動へ意識のハードルを下げながら、97%のフィットネス初心者へアプローチしています。加えて、カラオケやランドリー、キッズパークのほか、CTやMRI検査などプラスアルファのサービスでマーケット規模を拡大しています。そういったサービスを含めて、いままでご利用されていなかった方々に、いかに利用してもらえるようになるかが重要なポイントだと考えています。



――会員数の天井はどう見ていますか?



【瀬戸社長】 そこは定義を変えないといけないところだと思います。コンビニはどこがで飽和すると言われながら、ATMや荷物の受け渡し、公共料金を払えるようになるなど、お客様の役に立てることを広げていきました。我々も役に立てる、必要とされる領域をどこまで高められるかが勝負になります。



――現状の1500店舗は、まだまだ増やしていく過程ですか?



【瀬戸社長】 1万店舗を目指していますので、まだ15%の達成率です。



◆サービス過多にならない総合的な店舗のあり方を検証「トレーナー増員で快適な利用と品質の向上に」



――フィットネスを軸に、美容から医療、キッズからエンタテインメントまでサービスを広げました。顧客の満足度を上げるうえで、さまざまなニーズに応えたサービスを増やす一方、サービス過多に陥ることはないのでしょうか?



【瀬戸社長】 ご指摘の部分は意識しています。1つひとつのサービスが受け入れられたとしても、いろいろな掛け合わせで店舗ができていますので、使いやすいか、わかりやすいか、ひとつの施設の中でどう構成していくかなど、総合的に捉えないといけないところです。いまは3月に発表した新サービスの各店舗への導入が始まった段階ですが、1つひとつのサービスの検証と同時に、総合的なサービスが生み出す印象や、サービスの組み合わせがどう捉えられていくかなど、使いやすさも含めて検証を進めているところです。



――これまで24時間無人のジムとして事業展開をしてきたなか、人員が必要なところには、今後はRIZAPトレーナーを500名体制で増員するとのことですが、どのようなところに人員を割くのでしょうか?



【瀬戸社長】 まず、ご高齢の方が増える中、トレーナーがいることで安心してスタートしてもらえることが重要だと考えています。また、chocoZAPはお客様のライフスタイルのプラスになる新しい形態なので、シミュレーションには限界があり、想定していなかったことも起こっています。そこに対して、快適にご利用いただくための品質を重視していきます。



――全国1500店舗の対して500名のトレーナーがサポートしていきます。都市部と地方での地域差は生じませんか。



【瀬戸社長】 生じないようにしていこうと思っています。ただ、どうしても物理的な要因はありますので、フレンドリー会員に清掃などをカバーしていただいたり、お客様との業務用のつながりも作っています。それぞれの地域の方々と一緒に問題を解決していく取り組みを、トレーナーのサポートと組み合わせながらやっていきます。そういった人のつながりから効果的にお客様サポートをしていくのも、我々の強みとして活かせると考えています。



――chocoZAPは低コストの無人サービスのビジネスモデルでスタートしました。決算発表では「いまはサービスの過渡期」と話していましたが、有人サービスにシフトしていくのでしょうか。



【瀬戸社長】 サービス利用者が増え、新たなサービスがどんどん加わっていくなか、無人か有人かのゼロイチではなく、サービスの進化に合わせてデジタルと人を組み合わせながら、最適解を常に検証しつつ進めていきたいと考えています。ユーザーが快適に利用できるサービス環境の提供が、まずやるべき順番です。ただ、ローコスト運営によってもたらせるサービス金額がありますので、人とデジタルの役割分担など効果的な運用を探っていきます。



◆医療連携も含めた生活に最適なソリューションへ RIZAPとミックスさせて一心同体なサービスにも



――chocoZAPとの連携でRIZAP入会者も増加しています。chocoZAPとの連動や、RIZAPの課題について教えてください。



【瀬戸社長】 chocoZAP会員の運動ライト層の方々のなかには、フィットネスジム通いをしていく中で、RIZAPのパーソナルトレーニングを必要とされる方も多くいらっしゃいます。そのときに、RIZAPの店舗ではなく、chocoZAPでそのままトレーニングを受けたいというニーズがあります。それに応えるのは、お客様満足度が間違いなく上がり、我々にとって効率的でもあります。お客様の数は圧倒的にchocoZAPが多いのですが、そのエントリーから先を目指す方が増え、RIZAPとミックスさせて一心同体になるサービスのスムーズな流れができています。



――chocoZAPは、健康社会のインフラ化に寄与し、ウィルビーイングのプラットフォームへ進化することを掲げています。具体的には、どのような構想を練っているのでしょうか。



【瀬戸社長】 我々だけで閉じたものではなく、外部と連携していきます。たとえば、体重や体組成、ヘルスウォッチ、睡眠、食事などのデータは点でしか捉えられませんが、chocoZAPでどんな運動をしたかというアクティビティデータとの連動で、アクションとの相関や因果関係を分析できます。また、CTやMRI検査から疾患が見つかった場合は、その方の生活ログからの分析で何らかの因果関係が掴めていくこともあるわけです。そうした医療連携も含めたソリューションとなることで、重症化予防や生活習慣の改善の提案もできるようになります。これからいろいろな外部の医療機関との連携を進めていくことで、さまざまなデータを組み合わせながら、最適なソリューションを提案していきます。



――「睡眠」や「食事」と運動の相関や因果関係の共同研究を東京医科大学と行っています。研究結果のフィードバックや、今後のこうした医療機関との共同研究については、どのように考えていますでしょうか?



【瀬戸社長】 データ解析から導き出された結果を、アプリのAIアドバイザーが自動的にお客様へ提案するものもあれば、トレーナーがその情報をもとに最適な運動を指導することもできます。解決策をトレーナーに同期づけることで、アプリと連動しながら人がブーストさせていくことも考えられます。外部機関との共同研究はい

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