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【万博】カルティエ共同出展の『ウーマンズパビリオン』内容発表 来場者がパビリオンの一部になる演出も

『ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier』プレスカンファレンスの模様(C)ORICON NewS inc.


 大阪・関西万博(4月13日開幕、大阪・夢洲)で内閣府、経済産業省、カルティエ、2025年日本国際博覧会協会が共同で手掛ける『ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier』の概要が6日、都内で発表された。



【写真】なにこれ!カルティエが手掛けるウーマンズパビリオンの様子



 万博会場の東ゲート側に位置する『ウーマンズ パビリオン』は、組子にインスピレーションを受けたファサードと美しく調和する緑豊かなエントランスガーデンが来場者を迎える。組子ファサードは、伝統文化と最新技術を融合したシンボル。2020年ドバイ万博で初めて日本館として披露され、大阪・関西万博での2回目の出展のために綿密な計算のもと再利用され、カルティエのサステナビリティとクラフツマンシップに対する揺るぎないコミットメントを体現する。7000以上のパーツからなり、1つ1つ丁寧に手作業で解体され、保管された後、ウーマンズ パビリオンのために再び組み立てられた。



 ウーマンズ パビリオンは、建築家の永山祐子のビジョンである自然、人、資源が相互に関連し合うサイクルを表現。伝統的な町屋の構造をイメージして設計されたパビリオンは、幾何学模様と自然の要素をシームレスに融合させ、世界各国の人々のコラボレーションと活発な対話のための空間を作り出す。



 内装と展示に関しては、イギリスのアーティスト、エズ・デヴリンが手がけた。世界において一流の文化施設のステージデザイナーとしての経験を生かし、レディー・ガガ、アベル、ビヨンセ、U2といったエンターテインメント界の大物アーティストのショーのほか、環境、社会問題にも関心が高く、COP、国連総会などにも協力し、最近ではUNHCRとのコラボレーションでロンドンで発表された「Congregation(コングリゲーション)」と名付けた作品は大きな反響を呼んだ。



 エズとカルティエは長年のパートナーとしてコラボレーションをしており、ウーマンズ パビリオンの前には、2022年にロンドンで全滅危惧種に焦点を当てたインスタレーション「Come Hometown(カム・ホームタウン)」を制作。また、2020年ドバイ万博でイギリスパビリオンのデザイナーに任命された初の女性アーティストとしても高く評価され、その意味で2つの万博をつなぐ存在でもある。



 1708平方メートルの敷地面積を有するウーマンズ パビリオンは、2つのフロアによって構成。エズが手掛ける1階では、イマーシブオーディオを通じて体験する没入型の展示空間が生み出されている。エズは、エモーション、感情という手段を用いて、来場者が新たな視点を得てパビリオンを後にする際に、未来への希望と身近なコミュニティに変化をもたらすエネルギーを感じることを期待。



 エズは万博について「それぞれに個性的な各パビリオンが楽器のようにメロディを奏で、6ヶ月という限られた時間をはるかに超えて世界に向けたメッセージを発信する、楽器の集合体のような場所である」とコメント。この精神に基づき、ウーマンズ パビリオンは、深くパーソナルな体験を来場者に提供し、リフレクションを起こし、これらの体験を基に世界的な課題につなげることで、ジェンダー平等にまつわる表現を多様な視点から取り上げることを目指している。



 この展示では、初めにゲストが自分の名前を登録し、自分のアイデンティティーを物語の一部にするという演出がある。名前をパビリオンの一部に提供する行為が、体験をより自分ごとにするという名前のパワーを象徴。ウーマンズ パビリオンは、ファクトのみの展示ではなく、五感や感情に訴えかける体験を通して、我々を取り巻く社会が抱える課題について新たな視点を得るきっかけを代表者に提供する。



 パビリオンに入ると、まずオープニングに3人の主人公の力強い物語が紹介される。エズと映画監督の河瀬直美が共同で制作した、3人の女性が登場するショートフィルムが上映。そのあと、来場者は3つに分かれたパスのいずれかに導かれ、イマーシブな空間の中で主人公が経験した人生のストーリーに突入する。



 主人公の1人は吉本ばななで、東京の下町で生まれ育ち、20代の若さで飛躍的な成功を収めた彼女のたくましさや、都会を思わせる未来に囲まれた空間に。眼鏡や思い出の写真といったオブジェクトが展示され、彼女が乗り越えてきた葛藤や苦しみ、忍耐、その後の癒しの話を垣間見ることができる。



 ウーマンズ パビリオンの至るところでコラボレーションの精神を感じることができ、フランスの女優、監督、アーティストであるメラニー・ロランは、ポートレート、サウンドスケープの作品を通して女性のエンパーメントというテーマを探求。アーティストの千葉尋が考案した、歯に写真を焼き付けるクログラフ技法を用いて、メラニーと共同で制作した作品は、さまざまな女性の姿を描く。



 2階に設置されているマルチアーティストの森万里子の作品は、ウーマンズ パビリオンのテーマである人間性の共有を象徴。景観デザイナーの荻野寿也は、地元の食材を用いたサスティナブルなガーデンで、日本の四季の集いを表現する。



 デザイナー兼クリエイティブディレクターの阿部千登勢は、昭和とモダニティを掲載したウーマンズ パビリオンのアテンダントのユニフォームを手掛けた。2階のガーデンに併設された「WA」スペースは、世界的な社会課題をめぐって6ヶ月間トークセッションやパネルディスカッションが繰り広げられる会話スペースとして機能する。



 このスペースでは、大いなる視線、ビジネスとテクノロジー、教育と政策などの重要なテーマについてディスカッションが行われ、活動家、専門家たちが現実的な解決策について話し合う機会が提供さる。「WA」スペースでは連日活気あるプログラムが開催され、その多くが一般公開される予定。4月よりWebサイトにて最新のプログラムが公開される。

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