【映画】
映画『敵』吉田大八監督、「第18回アジア・フィルム・アワード」最優秀監督賞受賞

アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード」にて『敵』の吉田大八監督が最優秀監督賞を受賞


 アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード(AFA)」の授賞式が16日、香港・西九龍(ウエストカオルーン)文化地区の戯曲センター(Xiqu Centre)で開催され、日本映画『敵』の吉田大八監督が最優秀監督賞を受賞した。



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 同賞の受賞は、一昨年、昨年の是枝監督の受賞に続き、3年連続日本人監督が受賞する快挙。会場では、主演男優賞にノミネートされていた長塚京三、助演女優賞ノミネートされていた瀧内公美、衣装賞にノミネートされていた宮本茉莉らと共に喜びを分かち合った。



 審査委員長のサモ・ハン氏からトロフィーを受け取った吉田監督は「皆さんと同じように僕も驚いています」と壇上でコメント。続けて、「僕が若い時から愛読していた筒井康隆先生の小説を映画化するという幸運に恵まれ、それを信頼できるスタッフたち、素晴らしい俳優たちと一緒に作り上げるという、監督としては最高に恵まれた体験でした。その上でこんな素晴らしい賞までいただいて、これ以上の喜びはありません」と話した。



 受賞後の記者会見では、「この映画に関わったすべてのスタッフとすべての俳優たちに感謝したい。皆で受賞を喜び合いたい」と感謝を述べ、今後の展望を問われると「せっかくこのような賞をいただいたので、アジアの皆さんに観ていただけるような映画をひとつでも多く作っていけたらいいなと思います」と意欲を示した。



 アジア・フィルム・アワードは、2007年から開催されおり、これまで『パラサイト 半地下の家族』(19年/ポン・ジュノ監督)や『ドライブ・マイ・カー』(21年/濱口竜介監督)など、世界中の映画賞や賞レースを席巻した作品が受賞している。今回は、アジア25の国と地域より30作品のノミネート(全16部門)があった。



 映画『敵』は、『桐島、部活やめるってよ』『騙し絵の牙』などを手掛けた吉田監督が、筒井康隆の同名小説を映た画化。妻に先立たれた元大学教授・渡辺儀助役を長塚が演じ、人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを巧みに表現した。大学の教え子役で瀧内、亡くなってなお儀助の心を支配する妻役で黒沢あすか、バーで出会い儀助を翻弄する謎めいた大学生役で河合優実、そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが出演している。



 今後、香港国際映画祭(香港)、アイルランド日本映画祭(アイルランド)、ウーディネ・ファーイースト映画祭(イタリア)など、世界中の映画祭への出品が決定している。

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