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中村獅童、子どもたちはライバル 街でチヤホヤされまくり「負けないように」

日本の文化・芸能の保存、向上に寄与した人物を表彰する『第46回松尾芸能賞』の贈呈式が3月31日、都内で行われた。歌舞伎俳優の中村獅童(52)が優秀賞を受賞した。
【写真】大賞を受賞し…笑顔を見せる松平健
贈賞理由は「萬屋一門に生まれながら父が早くに廃業したため若い頃は苦労した。1981年に8歳で初舞台を踏み、その後は十八世中村勘三郎のもとで歌舞伎俳優としての修業を重ね、2001年の平成中村座公演試演会で『義経千本桜』の狐忠信を演じた。2002年に出演した映画『ピンボン』で5つの映画賞の新人賞を受賞して注目を集めた。その後も中村勘三郎のもとでさまざまな役を学ぶ一方、2016年にニコニコ超会議でパーチャルアイドル初音ミクと共演する超歌舞伎『今昔饗宴(はなくらべ)千本桜』の佐藤四郎兵衛忠信を演じて若い観客の支持を集め、以後2024年まで数々の『超歌舞伎』を多くの劇場で上演してきた。令和に入ってからは歌舞伎界を支える俳優の一人に成長。古典から新作歌舞伎、舞踊まで多くの役で実力を発揮してきた。2024年は歌舞伎座で『釣女』の太郎冠者、『魚屋宗五郎』の宗五郎、『上州土産百両首』の正太郎、『権三と助十』の権三、『あらしのよるに』のがぶを演じて優れた演技を見せ、活動の実績が実を結んだ。また同時に長男と次男の初舞台も披露した」という内容だった。
贈呈式では、目に光るものが。獅童は「こんな芸能の大先輩とご一緒させていただけて、本当に賞の重みと言いますか…。天童(よしみ)さんの紹介VTRの時にいろいろな写真が出ていて。楽屋でお衣装お召しになってるところを、後ろから直されてる方がいらした。あの方は、きっとお母様だろうなと思って。先ほど楽屋でお聞きしたらやっぱりお母様で。ああいった写真見たり…。私の父が早くに歌舞伎の世界から身を引いておりましたので、母のサポートという部分が大きかったんです。ですので、この賞をいただくことによって、今までの人生を振り返った時に、随分母ともけんかもしたんですけど、本当に僕のために一生懸命やってくれたんだなって…」と万感の思いが込み上げたという。
長男・中村陽喜、次男の中村夏幹も初舞台を踏んで以降、大人気に。ゆくゆくは同じ賞を受賞してほしいか問われると獅童は「あまり思わないです。もうライバルなんで、街歩いてても子どものことばっかり言われるので。癪に障りますよ(笑)。子どもに負けないように」とライバル宣言し、ニヤリ。一生懸命な姿を間近で見ているが「あまり期待しすぎず。のびのびと育ってくれればいいなと思っております」と大きな心で話していた。
■『第46回松尾芸能賞』
【大賞】松平健(演劇)
【優秀賞】天童よしみ(歌謡)、川瀬露秋(邦楽)、中村獅童(演劇)、尾上紫(舞踊)
【新人賞】林佑樹(演劇)
【特別賞】堅田喜三代 (邦楽)
【功労賞】大村崑(演劇)