【音楽】
【インタビュー】リリー・フランキー&上白石萌歌「最前列の観客のようにライブを堪能」 名曲カバーをライブ感たっぷりに届ける『The Covers放送100年フェス』

『The Covers 放送100年フェス』MCのリリー・フランキーと上白石萌歌(C)NHK


 放送が始まって100年という節目の年を迎えた2025年。メモリアルイヤーを祝して、3月6日に『The Covers放送100年フェス』が東京・NHKホールで開催された。放送史に刻まれる名曲カバーを中心に、圧巻のライブパフォーマンスを繰り広げたのは、工藤静香、郷ひろみ、堺正章to MAGNETS、スターダスト☆レビューという豪華なゲスト。その模様は同日にNHK BS8Kで公開生放送されたが、放送開始12年目を迎える新年度の初回となる4月6日と13日の2週にわたってNHK BS、BSP4Kで再編集版が放送される。エネルギッシュなステージの進行を務め終えたMCのリリー・フランキーと上白石萌歌に、『The Covers放送100年フェス』の見どころや、カバーすることへの想いを聞いた。



【写真】郷ひろみ、工藤静香、スタレビらのステージフォト



■放送スタートから12年目 世の中に浸透したカバー



 2013年10月にパイロット版が放送され、翌年から正式にスタートした『The Covers』。J-POPのアーティストたちが歌謡曲やポップスを中心に、自身が影響を受けた名曲をそれぞれの持ち味でカバーし、新しい命を吹き込む番組だ。お祭り気分で盛り上がる『The Covers Fes.』は今回で12回目となる。



【リリー・フランキー(以下、リリー)】『The Covers放送100年フェス』は、本放送は2回に分けて30分ずつ編成されていますが、BS8Kでの公開生放送は1時間。充実のラインナップで、気がついたときには放送が終わっていましたね。しかも今回は堺正章先生を筆頭に、キャリアの長いアーティストの方々が出演してくださって、先輩たちのエモーショナルな姿を拝見して元気が出ました。



 生放送を終えてしずしずと率直な感想を語ったのは、イラストやデザイン、文筆、作詞・作曲、俳優など幅広い分野で才能を発揮するリリー・フランキー。『The Covers』の第1回から12年にわたってMCを務めている、同番組の顔ともいうべき存在だ。



【上白石萌歌(以下、上白石)】いつもスタジオで収録するときは、トークのリミットがないので2時間くらいカメラを回すことがあるんです。今回はその半分くらいでしたから、本当にあっという間の1時間でした。



 あうんの呼吸でリリーのコメントをサポートするかのように言葉を紡いだのは、女優の上白石萌歌。adieu名義でアーティスト活動も行っている彼女は、23年4月から『The Covers』のMCを務めている。リリーは彼女に「もかお」というあだ名をつけ、全幅の信頼を置いている。



【リリー】MCは、もかおさんに任せっきりでした。



【上白石】『The Covers放送100年フェス』は生放送もしていたのに、リリーさんは「えー……、次は……」といった感じで通常通りマイペースでしたね。そこがリリーさんの素敵なところだなと改めて思いました。



【リリー】アーティストがスタンバイしているとき、手間取っていれば、もかおさんが上手につないでくれて、時間がなければ簡潔に進めていってくれるので、感心しきりです。でも、今回は生放送もありましたから、まだちゃんとしていましたよ。



【上白石】収録のときのトークは8割がたカットされている気がします。



【リリー】いや、9割かもしれない……。平原綾香さんに「リリーさんがいい話をしているとき、必ずカットされているよね」と言われました。制作陣の作為を感じますね(笑)。



【上白石】でも、いい話と同じくらい、放送できない話もしていますよ!



 ふたりの抜群のコンビネーションはもはや当番組の名物のひとつだ。女性司会者は上白石が5代目だが、放送開始当初から番組をけん引し続けているリリーは、この12年でカバーの捉え方が変わったと感じているという。



【リリー】番組開始当初は、カバーという言葉もいまほど世間に浸透していなくて、カバーすることに抵抗を示すミュージシャンの方もいました。一方で、サブスクリプションで音楽を聴く人が増えてきたのは、ちょうど『The Covers』の放送が始まったころ。それによって古い曲も新しい曲も等しく聴かれるようになりました。この10年で古い歌謡曲にめっぽう詳しい小学生が現れたりしたのも、おそらくサブスクのおかげです。この番組も『The Covers』というタイトルでありながら、懐かしいメロディや思い出の歌をただ流す番組ではなく、時代を超えて名曲を届ける番組に変貌を遂げているなと感じています。



 出演ミュージシャンが自分の持ち歌や新曲を披露することがメインではないのに、正統派の歌番組という存在になっているのも面白いなと思いますし、ほかの歌番組もカバー企画を取り入れてきていますしね。現代において、カバーが音楽の摂取方法のひとつになっているということが、この番組が長く続いている理由なのかなと思っています。



 アーティストadieuとして歌手活動もする上白石は今回の『The Covers 放送100年フェス』ではレミオロメンの「3月9日」をカバーした。



【上白石】自分でカバーして歌うのも、カバー曲を聴くのも大好きですし、カバー曲をきっかけにオリジナルを知った歌もたくさんあります。カバーするという作業によって、オリジナルの曲の持つ骨格の美しさを立体的に伝えてくれるような気がするんですよね。『The Covers』に出演されるアーティストの皆さんはのびのびと選曲してくださっていて、その方の秘密を覗いたような気分になります。アーティストさんのオリジナルではないのに、その方の人柄やカラーも感じられて、体に流れている血や生き方も垣間見えるように思えるんです。実は、個人的に『The Covers』のプレイリストを作って、この番組をきっかけに知ることができた原曲と、アーティストの方がカバー音源を出していたらその曲も入れるようにしています。好きな曲が増えて学びが深まるばかり。今回は私も歌ったので、自分の出番が終わるまではふわふわしていましたが、基本的に司会という立場でありながらも楽しんでいます!



■観客の気分で楽しむことを大切にしながら番組を進行



【リリー】ミュージシャンの方にとってトーク部分はおまけだと思うんです。トークが得意ではない方もいますし。ですから、リラックスしてお話できるように、ライブハウスの楽屋にいるような感覚でおしゃべりしてもらえたらいいなと思っています。でも、ミュージシャンの方も音楽について語りだすと止まらないんですよね。それを聴くのがまた楽しいんです。



【上白石】私は司会ではあるのですが、ライブ会場の最前列で音楽を聴いているお客さんのような感覚も半分あるので、コメントする際はその場で感じた空気や高揚感、胸に迫ってくるものを言葉にしてお伝えできたらいいなといつも思っています。



【リリー】半分お客さんの感覚でMCをしているというのはありますね。ある意味そこは大切かなとも思います。



【上白石】それに、リリーさんがまったく人を緊張させない方なんですよね。私も一度この番組にゲストとして出演させていただいたとき、こんなにリラックスできる番組があるのかと驚きました。



【リリー】時々収録が始まっているのにミュージシャンの方が気づいていなくて、「もう撮ってるの?」っていうこともありますね。しれーっと撮っちゃっているから。



【上白石】「リリーさんのやっているスナックにひょっこり来て歌っちゃいました」みたいな感じが心地いいんです。



 『The Covers放送100年フェス』は東京・渋谷のNHKホールで行われたが、最近は地方で『The Covers Fes.』を開催することも多い。



【上白石】『The Covers Fes.』大好きなんです! いつか故郷の鹿児島で『The Covers Fes.』をやりたいという夢があります。AIさんや長渕剛さん、それから私の姉(上白石萌音)もいますし、鹿児島出身のミュージシャンの方、多いんですよ。『The Covers Fes.』を地方で開催して、日本がどんどん元気になっていったらいいなと思っています。



【リリー】『The Covers Fes.』は、NHKの地方局の催事案件になっていますね(笑)。僕の地元の北九州で行った『The Covers Fes.』はシーナ&ザ・ロケッツが出演してくださって、鮎川誠さんの最後のライブとなりました。今までいろいろな町に行きましたが、一つひとつが思い出に残っていますね」



 言葉の端々に、“気が合う”同士だと感じさせるふたりの新たな目標が、『The Covers放送100年フェス』をきっかけに生まれたようだ。



【上白石】『The Covers放送100年フェス』にご出演くださった堺正章to

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