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【THE SECOND】人間味あふれる新王者・ツートライブ、突き進む“漫才道” 会見であふれ出た“ニン”

ツートライブ (C)ORICON NewS inc.


 驚き、喜び、涙、そして笑い…。人間味が詰まった“新王者”が誕生した。“結成16年以上”の漫才師たちによるフジテレビの賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』(後7:00~11:10)で、ツートライブが3代目王者となった。優勝会見でも、漫才さながらのかけあいで魅せる一方、直球な思いも飛び出すなど、魅力が余すことなく伝わってきた。



【写真】「ありえへんっすね…」優勝後会見でぼう然としていたツートライブ



 ツートライブは、たかのり(41)と周平魂(41)による2人組で、2008年に結成。『第38回ABCお笑いグランプリ」決勝進出、2023年1月にはTBS系『ラヴィット!』正月-1GP優勝といった経歴を誇る。『THE SECOND』初のファイナリストで、初戦はモンスターエンジン、準決勝でははりけ~んずを破り、その勢いのままで栄冠をつかんだ。



 グランプリファイナルでは、マシンガンズ、モンスターエンジン、金属バット、吉田たち、ザ・ぼんち、囲碁将棋、はりけ~んず、ツートライブの8組が火花を散らした。囲碁将棋との決勝を制し、優勝が決まった直後、感情がこみ上げ涙していたたかのりは、その後に行われた会見で、素直な思いを口にした。「ホンマにうれしいっすけど、何も変わってない状況で。夢うつつというか」。



 一方、相方の周平魂は、優勝を伝えたい“相手”として「まずは、オレを産んでくれた女」とニヤリ。たかのりから「いや、お母さんって言え!それで、お前お父さんのことな何て言うてんねん」と向けられると「きっかけの男」とたたみかけ、漫才さながらの掛け合いで笑わせた後、こう紡いだ。「ほんで奥さん、子ども、このやっぱり血の感じですね。親父が去年死んだんすよ。親父がギリ、見切れているぐらいの感じで見てくれてんちゃうかな」。



 優勝をたぐり寄せた“3本のネタ”について、トークをしていた時のこと。周平魂が何気なく発したフレーズが、危うさをはらんでいることに気づいたたかのりは、すぐさま訂正。会見の司会を務めた小室瑛莉子アナも「フィクションですね?」と助け舟を出し、周平魂も一生懸命“軌道修正”を行い「これ(優勝者特典として出演が決まっている)『ぽかぽか』でやったら、ヤバいぞ」と安堵する様子からは、新王者らしい初々しさも感じた。



 優勝できた要因について質問を受けた際、周平魂は淡々とした口調ながら、その裏に芸人としての覚悟を感じさせる言葉を発した。「漫才の形とかは変わっていますけど、毎月単独をやり続けて、最初から面白いと思っている『バカらしいこと』っていうことに対して焦点を絞って、18年間やり続けたことを評価してくれたんかなって思います」。優勝賞金の使い道について、周平魂は「オトンの墓を作りますわ」ときっぱり。そのことについて、追加で質問が寄せられた周平魂は「こんなん別に書かなくていいんですけど」と前置きしつつ、亡き父との思い出を語った。



 「親父が死ぬ間際に、最期にまだ意識がしっかりしている時にしゃべったやつが。祇園花月の(出番)終わりですわ。オトンがおむつして動けへんと。(実家に行き、父を)トイレまで連れて行くってなって。トイレで(父の)ケツ拭きながら。こんな状態あんねやって思いながら。で、親父が、ちょっと恥ずかしいところもあるんでしょうね。『もう、お前はチャンピオンだよ』って。そいで『何のチャンピオンやねん!』って。そういうことがあったんです」



 相方のボケには的確なツッコミ、思いあふれる様子にはとなりで温かい目線を注ぐたかのり。優勝直後、気持ちの整理もつかず、疲れもある中だが、こうしたやりとりなどから2人の“ニン”がまっすぐ伝わってくる。



 王者になっても、やることは変わらない。周平魂が、ある日の体験をもとに言葉に力を込めた。「僕、甲本ヒロトさん大好きなんですよ。ホンマに大好きで。2~3年前のある日、甲本ヒロトさんの音楽聞きながら、街を歩いとったら(スマホを見る仕草をしながら)ニュースで三浦知良さんが、どこかのリーグに入ったと。それを見たら、僕涙が出てきて。なんか、同じことをやり続けている人に、オレは心が動くんやと。とりあえず、自分がうまくいかなくても、このまま2人で漫才を変わらずやり続ければ、ええやっていう感覚があったんで。そういうことです。変わらず漫才を続ける」。



 追いかけて追いかけて、つかみとった“王者”として待ち受ける『バラ色の日々』。18年信じてやってきたことが花開いた今、まっすぐで“真っ赤な情熱”を胸に咲かせ、ツートライブは突っ走っていく。

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