
【映画】
STUDIO4°Cの劇場アニメ『ChaO』クセの強いキャラクターたちは『Dr.スランプ アラレちゃん』をイメージ

独自の映像表現で世界的に支持されるアニメスタジオ・STUDIO4°Cの最新作『ChaO』が、8月15日より全国公開される。スタジオジブリの『となりのトトロ』『魔女の宅急便』でラインプロデューサーを務めた田中栄子が主宰する同スタジオが、手描きアニメーションに徹底的にこだわり、種族と文化を超えた恋と奇跡を描くオリジナル長編アニメーションだ。このたび、キャラクター設定画が解禁となった。
【画像】ステファン&チャオの表情豊かな設定画
本作の舞台は、人間と人魚が共存する未来の社会。船舶会社で働く地味なサラリーマン・ステファンが、突然人魚王国のお姫さま・チャオから求婚され、一緒に暮らすことになる。純粋で真っすぐなチャオの愛情に、最初は戸惑うステファンだが、次第にひかれていく2人の関係を瑞々しく描く。
本作の企画が動き出したのは9年前の2016年。田中プロデューサーの「STUDIO4°Cのアニメーション技術で、世界に発信できる“まったく新しいオリジナルアニメーション作品”を作りたい」という思いのもと、“誰も見たことのない映像表現”を追求するプロジェクトとしてスタートした。
STUDIO4°Cらしい“新しさ”はキャラクターデザインにも表れている。公開された設定画は、主人公ステファンと人魚姫チャオをはじめ、彼らを取り巻く超個性的な登場人物たちが大集合したものと、ステファン&チャオの豊かな表情が切り取られた3点。等身からシルエットまでバラバラで、人間と魚が共存する世界観を強烈に印象づける。
キャラクターデザイン・総作画監督を務めた小島大和は「青木康浩監督が“『Dr.スランプ アラレちゃん』みたいな世界でいいんじゃないか”とイメージを伝えてくださったので、体型など自由にデザインしました」と制作秘話を明かす。
「アラレちゃんのような、いろんなものが混在している世界といいますか。スレンダーで美人な人もいれば、顔が大きい人もいるし、リアルっぽい顔もいれば、シンプルな顔もいるし、ひょろっとしている人もいるし…、なんでもアリみたいな感じ」と話す小島の言葉通り、一度見たら忘れられないインパクトを放つビジュアルに仕上がっている。
そんな個性派キャラクターたちの中で、主人公ステファンは「ちょっとオドオドとした冴えない地味目」のどこにでもいそうな青年。小島は「最後には少し男らしくなるようにオーダーを受けました。脇役たちがより際立つよう、大人しめのデザインにした部分もあります」と語る。
一方でチャオは「カラフルでキュートな人魚姫」としてデザイン。「かわいいけれど、ありきたりのアニメ美少女ではなく、アジア人っぽさを取り入れました。女優さんや歌手の方を参考に要素を盛り込み、何度も描き直してチャオが生まれました。普通の“かわいい”ではない感じ」と、小島はこだわりを明かしている。
STUDIO4°Cが誇る圧倒的な作画力と背景美術で、人間と人魚という種族を超えた恋の物語を鮮やかに描く本作。クセの強いキャラクターたちは、見れば見るほど好きになりそうだ。