
【その他】
朝倉未来、なぜ大阪市に喫煙所寄付? 問題解決への考え語る「ルールの啓発だけでは路上喫煙は減らない」

格闘家で実業家の朝倉未来が、今年4月、大阪市に無料の喫煙所『SMOKING DOWN』をオープン。大阪市は万博開催に伴い、路上喫煙全面禁止、飲食店も原則屋内禁止に踏み切っていたが、人々からは「喫煙所が足りない!」の声が続々。そこに立ち上がったのが、朝倉だった。6月末に公開された横山大阪市長との対談動画では、さらにあと数ヵ所の喫煙所を作って大阪市に寄付するとのこと。また、喫煙所となる物件への補助費用拡充など、今後への具体的な施策についても訴えた。格闘家の彼がなぜ、喫煙所を寄付するという行動を取ったのか。話を聞いた。
【写真】これが喫煙所? カッコイイ!『SMOKING DOWN』内部
■「大阪の街や皆さんのために、自分たちで喫煙所を作ろう」
――朝倉さんのYouTubeチャンネルでは、これまでも路上喫煙や歩きたばこを注意する動画がありました。もともと、そのあたりには思うところがあったのでしょうか?
【朝倉未来】渋谷で路上喫煙注意を行った動画に関しては、子どもからお年寄まで様々な世代が多く通行する土地で、歩きたばこや路上喫煙を少しでもなくしていきたいとの思いがありました。大きな影響力を持つ自身のYoutubeで発信することで、より多くの人に理解を深めてもらいたいと考えていて。その時も、たばこを吸う人の数に対して「喫煙所が小さすぎる」という課題感は述べさせてもらいました。
――「動画が拡散することによって恥ずかしいと認識して、歩きたばこをやめてほしい」との発言も。実際、ファンの方からはどんな反応が?
【朝倉未来】コメントやDMで、「決められた場所で、決められたルールに従って喫煙するようにします」という声をいただきました。
――しっかり届いているようですね。そんな中、今回大阪市に喫煙所『SMOKING DOWN』を作ろうと思われたきっかけは?
【朝倉未来】BreakingDown大阪大会開催を視野に入れる中で、大阪を訪問して、路上喫煙注意の動画を撮りました。その際、ご縁があって吉村府知事との対談が決まり、喫煙所そのものが少ないという問題を提起させていただいて。各種報道もされているように、大阪では1月に路上喫煙が禁止となり、大阪府では4月より飲食店における喫煙規制が強化されましたが、それにも関わらず喫煙所不足が問題となっている。それなら、「大阪の街や皆さんのために、自分たちで喫煙所を作ろう」と思い、『SMOKING DOWN』を作りました。
――吉村府知事とお話しして感じたことは?
【朝倉未来】喫煙所自体が少ないことが問題だと感じたことをお伝えしたところ、「迅速に対応します」とおっしゃっていただきました。大阪府・市としても、路上喫煙問題を改善するにあたり、たばこを吸う人を締めつけるだけでなく、喫煙所を増やしていくとの思いを感じられましたので、今後もなにか協力できることがあればしたいと思っています。
――『SMOKING DOWN』というネーミング、リングを想起させるデザインには、どのような思いが?
【朝倉未来】喫煙所が話題になること自体が少ないと思ったので、インパクトがあり、話題になるような内装で、利用者が立ち寄りたいと思ってくれるような喫煙所を作ろうと考えていて。私が代表を務めるBreakingDownを連想させるものを作りたいと思いました。ネーミングについては、「SMOKING」 は「喫煙」を示し、「DOWN」は「I'm down」のように「そうしよう」 等の同意を示す意味でも使われています。「SMOKING」と「DOWN」という2つの言葉を喫煙所のネーミングとすることで、喫煙者の方が「マナーを守って喫煙所で喫煙をしよう」と思っていただけるように、との思いを込めました。
――『SMOKING DOWN』を作る上での苦労はありましたか?
【朝倉未来】喫煙所が不足していると言われる繁華街で、喫煙所整備が可能な物件探索も大変でした。初めての取り組みなので、そもそもどう設計すべきかもわからなかった。デザインが決まった後も、それに合わせた必要な備品含め、細かい部分の調達にも苦戦しました。それでも、これまでお付き合いのあった大阪の支援者の皆さま方や事業者さまにご協力いただき、なんとかオープンできました。
――4月にオープンしてみて、ファン・街の人からの反響はいかがですか?
【朝倉未来】『SMOKING DOWN』内では、朝倉未来Youtubeチャンネルの動画も放映しているので、ファンのみならず、利用者の方がSNSに投稿してくださったりします。またニュースに取り上げられた際は、普段たばこを吸わない方からも感謝のお言葉を頂戴しています。万博が始まった後は、利用する人も増えているように思います。
■新たに3~4ヵ所を寄付する予定、朝倉が見据える喫煙問題の解決への道筋
――万博が終わった後も『SMOKING DOWN』や、YouTubeでのたばこ関連の活動は続けますか?
【朝倉未来】『SMOKING DOWN』整備後、感謝と共に「もっと作って欲しい」とのお声もいただいたことから、大阪市とも協議を始めています。年内にあと3〜4ヵ所ほど、大阪市内の繁華街で喫煙所を作り、大阪市に寄付したいと思っています。
――それは楽しみですね。こうして喫煙所まで作った朝倉さんは、喫煙問題はどのように解決できると思いますか?
【朝倉未来】まず喫煙者の方には、ルールやマナーを守って喫煙してほしいと思っています。ただ、条例等でいくら厳しく取り締まっても、たばこを吸う人が未だに数多くいる現実を踏まえると、ルールやマナーの啓発だけでは路上喫煙はなかなか減らないと思います。「喫煙所があればそこで吸いたい」と思う喫煙者の方も多くいます。そうした人にルールやマナーを守って吸ってもらうためには、国や地方自治体がたばこ税等を活用し、必要な数と大きさの喫煙所を整備していくことが必要かと思います。
――7月13日には、『BreakingDown 16』が大阪で開催。集まる中には喫煙者もいると思いますが、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
【朝倉未来】『BreakingDown16』大阪大会は、BreakingDown初の地方開催となります。喫煙者の方も多くいらっしゃると思いますし、喫煙所も整備する予定です。ルールやマナーを守って喫煙していただくことで、たばこを吸う方も吸わない方も、ご来場いただくすべての皆さまが最後まで気持よく、楽しく観戦していただけるよう工夫いたします。ぜひ、会場に足をお運びいただければと思います。
――最後に、格闘家としての今後の目標についてもお聞かせください。
【朝倉未来】目の前の強い相手を倒していきます。