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Aぇ! group正門良規、シェイクスピア舞台で女性役「ちゃんと綺麗、かっこいいと思われたいです(笑)」

5人組グループ・Aぇ! groupの正門良規が、10月から11月まで東京グローブ座、11月に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される舞台『十二夜』に主演することが決定した。正門は女性のヴァイオラ役を演じる。
演出は舞台『ジュリアス・シーザー』(2021年)や、『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』(23年)、『夜叉ヶ池』(23年)や『ヴェニスの商人』(24年)など、古典から現代劇、ミュージカルまで幅広く演出を手がける森新太郎氏が務める。正門とは舞台『ヴィンセント・イン・ブリクストン』(22年)以来の2回目のタッグとなる。
シェイクスピア喜劇の中でも最高作と言われる『十二夜』。今回の森氏の演出では、性別にとらわれず、自由な発想で選ばれた俳優が演じるプランで臨む。翻訳は、松岡和子氏、作編曲・音楽監督は、BUN Imaiを迎えて恋の祝祭を盛り上げていく。
このほど解禁された正門のイメージビジュアルは『十二夜』の世界観をほうふつとさせる。また、シェイクスピアの喜劇の最高作を森演出でどのように描かれるのか、期待が高まる。森氏と正門のタッグで贈る、祝祭的なにぎやかさと、それが終わりを迎える瞬間の切なさが繊細に織り交ぜられた喜劇に注目だ。
船が嵐に遭遇し、双子の兄と生き別れた妹・ヴァイオラ(正門)。イリリアに流れ着いた彼女は、生き延びるために男装し、「シザーリオ」と名乗って、公爵オーシーノに仕えることに。ひそかにオーシーノに恋心を抱いているが、男のふりをしているため、想いを告げられずにいる。
一方、オーシーノは、伯爵令嬢オリヴィアに夢中。冷たくあしらわれても情熱は冷めず、お気に入りのヴァイオラを使者に立てて、自らの想いを伝えさせようとする。因果な務めに葛藤しながら、オーシーノの想いをオリヴィアに届けるヴァイオラ。だがオリヴィアは、男装したヴァイオラに一目ぼれしてしまい…。ヴァイオラの男装から始まる、もつれにもつれた恋の三角関係。果たしてその結末は。
■主演・ヴァイオラ役:正門良規(Aぇ! group)
シェイクスピアの作品はいつか演じてみたいと思っていましたが、まさか女性の役とは思っておらず、出演が決まりびっくりしました。いままで錚々(そうそう)たる俳優の方々がヴァイオラを演じてきて、そこに急に男性の僕が入るという驚きの連続ですが、舞台だからこそできるマジックがあると思っています。今から演じることにワクワクドキドキしていて、このチャレンジングな配役だけでも好奇心が刺激されます。ちゃんと綺麗、かっこいいと思われたいです(笑)
演出の森新太郎さんは役者やお芝居に対して愛情深い方で、またご一緒できることがすごくうれしいし、今から稽古に入るのが非常に楽しみです。3年前の同じく東京グローブ座の作品での稽古も忘れられないくらい濃密で、舞台欲や芝居欲に火がついて学ばせてもらいました。そこからさらに舞台も経験しているので、成長して面白くなっているところを観てほしいです。
ファンを増やし続けている作品の喜劇ですので、お客様に笑って楽しんでいただけるような、新しい『十二夜』をお届けしたいと思います。
■演出:森新太郎コメント
十二夜とは、クリスマスから数えて十二日目の夜のこと、長い祝祭シーズンの最後の夜にあたります。人々のどんちゃん騒ぎはピークに達し、かなりの無礼講が許されたそうです。この時ばかりは社会に引かれたさまざまな境界線が忘れられ、そこは束の間、混乱に満ちた解放区となりました。
『十二夜』というお芝居は一言で言って、混乱の喜劇です。登場人物の多くがアイデンティティ・クライシスの沼にはまります。自己喪失。思うにシェイクスピアがすごいのは、自分が自分でなくなることの不安だけでなく恍惚感も描いたところです。さらには、自分がふたたび自分になることの喜びだけでなく、その寂寥感も。人間という生き物は実にややこしい。我々は笑いながら、舞台上に我々の姿を見つけることでしょう。
正門良規にはシェイクスピアをやらせたいとずっと思ってきました。一本気で、心優しく、たまに天然な正門良規にぴったりな役は――ヴァイオラしかありません。恋に身を焦がす男装のお姫様です。エリザベス朝の時代には、少年俳優がこれを演じました。すなわち男子が女子の役を演じ、重ねてその女子が男子の役を演じたわけです。この境界線の曖昧さこそがまさに『十二夜』です。
今回は、彼に限らず他の俳優の何人かにも性別が逆の役を演じてもらいます。グローブ座という自由空間に、これまで以上にカオスな解放区を出現させたい。混乱をたくましく笑い飛ばしていきたい。ヴァイオラの台詞を借りるなら「時、所、運命のすべてがぴたりと決まった」このたびの公演です。どうぞお楽しみに。