
【音楽】
新浜レオン、初の全国ツアーで熱狂の渦を巻き起こす ステージで炸裂! ファンとの一体感は最高潮【ライブレポート】

昨年、『第75回NHK紅白歌合戦』初出場を果たした新浜レオンが、その歌唱曲であり、オリコン週間演歌・歌謡シングルランキングで41週連続TOP10入りした6thシングル「全てあげよう」をタイトルに冠した初の全国ツアー『新浜レオンファーストコンサートツアー~全てあげよう~』を開催。7月27日、東京・きゅりあん大ホールで行われた最終公演では、満席の会場に向かい、デビューしてから6年間の感謝を込めて、笑顔と元気と幸せあふれる熱いステージを繰り広げる新浜の姿があった。
【ライブ写真】トレードマークの“膝スラ” 大熱狂のライブ会場
■感謝の気持ちを込めた 圧倒的な熱量のパフォーマンス
2019年5月にシングル「離さない 離さない」でデビューしてから5年、新浜念願の初の単独全国ツアーは、昨年9月21日、デビューイベントを行った原点の地・成田国際文化会館からスタートした。その後、年明けに『紅白歌合戦』初出場を土産に地元・千葉県白井市文化会館で凱旋公演を実施。その勢いのまま北海道、大阪、福岡、広島、沖縄、愛知、宮城と全国をめぐり、チケットは全公演ソールドアウトの大盛況。追加公演となる成田国際文化会館公演もチケット完売と大成功を収め、この日、ファイナルを飾る東京公演を迎えた。
開幕前、会場に入ってまず頬が緩んでしまったのは、開演に先立ち注意事項をアナウンスする影アナの声が新浜だったことだ。そのユーモアあふれるサービスに場内は温かい空気に満ち、最後の「盛り上がレオン!」の掛け声に会場のテンションは一気にアップ。その後、客電が落ち、地響きのようなリズムが響き渡ると、のっけから場内は総立ち、観客はラッキーカラーの緑色のペンライトを振って新浜の登場を待ち受けた。
いよいよ最終公演のスタートだ。スポットライトを浴び、スパンコールがびっしり詰まった赤いジャケットと黒いパンツの煌びやかな衣装に身を包んでステージに現れた新浜は、ツアータイトルに冠した6thシングル「全てあげよう」を情熱的に歌唱。大サビでは、ステージ中央に特設されたスロープから“膝スラ”を披露し、場内に歓喜の渦を巻き起こした。
続いてダンサー4人がステージに登場。弦楽器の2人と計7人で、軽快なダンスを見せながら「全てあげよう」のカップリング曲「くちづけ」を熱唱。ここでも“膝スラ”で場内を沸かせると、続く森田公一とトップギャランのヒット曲「青春時代」では、曲間に新浜が青春時代にすべてを注ぎこんだ野球の投球ポーズを披露。新浜の人柄があふれるお茶目な笑顔とパフォーマンスに、わずか3曲で観客との距離はグッと縮まったように感じられた。
その後、ドラムのリズムに合わせて観客に手拍子をうながすと、この東京公演がU-NEXTで生配信されていたことから、新浜は「失敗したらそのまま出ます。まずいですよ」と言って観客を笑わせた後、「どうぞ皆さま、最後までごゆっくりお楽しみください!」と挨拶。今年4月16日にリリースした木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞・作曲による第2弾「炎のkiss」を歌い上げ、マイクスタンドを蹴飛ばしたり、振り回したり、昭和のスターを彷彿とさせるパワフルかつセクシーなパフォーマンスを見せつけた。
そのままの勢いで、5曲目の「メラメラ・ギラギラ」をダンサーとともに華麗なパフォーマンスで歌い上げると、続く「ダメダメ…」では、サビの“ダメダメだ”の歌詞部分で観客も一緒に手を振り“×”を作ってダンスに参加。ますます場内はヒートアップし、その興奮を表すように客電が落ちると、あちこちから「レオーン!」の歓声が沸き起こった。
そんな観客からの温かい声に満面の笑みを返しつつ、新浜はこの日初めてのMCに。「今日はファイナルにお越しくださいまして本当にありがとうございます。全9ヶ所、公演を行なえたのは本当にたくさんの皆さんの応援のおかげです」と感謝の気持ちを伝えた。
そして、「今日は地元千葉県の高校野球千葉大会決勝戦でした」と話題は自身が歌手になる前に打ち込んでいた高校野球の話に。今年、千葉大会で甲子園の切符を手にした市立船橋高校へエールを送るとともに、負けてしまった高校球児へは、「僕も(高校野球の千葉大会で)負けたからこそ今がある。だから何度負けても絶対あきらめないで!」と熱く激励。そんな思いを込めて、坂本九の名曲「上を向いて歩こう」をピアノの伴奏のみで歌い始めた。手拍子でその歌声に応えていた観客は、2番からは新浜のリードによって合唱。場内に優しさあふれる一体感が生まれたのは、新浜の人柄あってのことだろう。
■観客との深い絆を感じさせるステージでさらなる成長を誓う
その後、新浜が袖に消えると、場内の雰囲気は一転。雷鳴が轟くようなSE(サウンドエフェクト)が鳴り響き、ドラマーが力強く疾走感あるパフォーマンスを披露。客席からは割れんばかりの拍手が沸き起こり、再び場内のボルテージは最高潮に。その熱気とともにあちこちであがる「レオン」コールに迎えられ、全身、真赤な衣装に身を包んだ新浜が再登場。「今日も1日がんば『レオン!』」「ワンチームの雄姿を見ておく『レオン!』」「最後の最後まで盛り上が『レオン!』」などなど、レオンコールでさらに会場の熱を上げると、観客は再び総立ちになって新浜の次なる歌唱を待ち受けた。
ここからは新浜こだわりのカバーメドレー。野口五郎の「私鉄沿線」を皮切りに、西城秀樹の「情熱の嵐」「激しい恋」「傷だらけのローラ」「走れ正直者」とデビュー当時からカバーしてきた敬愛する大スターの楽曲を圧倒的な熱量で披露。ステージを縦横無尽に動き回ってのパフォーマンスに加え、「情熱の嵐」と「激しい恋」でのコール&レスポンス、「傷だらけのローラ」の終盤の力強くも切ない圧巻のロングトーン、「走れ正直者」での観客と一緒に盛り上がるタオル回しの振り付けなどなど、歌唱、パフォーマンスのすべてにおいて、6年間の成長と培われた自信が見て取れた。
その勢いのまま、終盤に向けて「ネオン☆ナイト」「涙色のカーニバル」とアグレッシブなパフォーマンスで会場のボルテージを上げると、続くデビューシングル「離さない 離さない」では、新浜にマイクを向けられたダンサーやバンドメンバーの一人ひとりが「レオン!」とコール。ここまで新浜が掲げる「皆さんに『笑顔を』『元気を』『幸せを』」をコンセプトに、一緒にステージを作り上げてきた仲間との絆が感じられる一幕だった。
今回のツアーでは、「捕まえて、今夜。」でキッズや学生とのコラボも実現してきたという新浜。ファイナルとなる東京公演では、小学2年生から22歳まで総勢40名が新浜のラッキーカラーである緑色のTシャツと、4月16日リリースの最新シングル「Fun! Fun! Fun!」のシンボルカラーである黄色をアクセントにしたファッションで登場。ステージや客席に散らばり、「捕まえて、今夜。」では窓を拭くように開いた両手をクロスさせる“窓拭きダンス”を、「Fun! Fun! Fun!」では、腕を上下に振る“WAKIWAKIダンス”を展開。観客が全員一体となって盛り上がるなか、本編はフィニッシュを迎えた。
アンコールでは、大きなレオンコールを浴びながら、白のラメの3ピースで登場。2年前の11月13日、きゅりあん大ホールで『紅白歌合戦』の落選を伝えられたこと。その悔しさをバネに、来年こそと強い気持ちで活動してきて、昨年末、『紅白歌合戦』初出場を果たせたことなどを振り返り、「すべての皆さんへの感謝の気持ちを胸に前に前に突き進んでいきたいと思います」と強く語ると、観客からはエールを込めた大きな拍手と声援が送られ、新浜は破顔。「ジェラシー ~運命にKissをしよう~」に続き、初のファーストコンサートツアーの締めくくりとして、「デビューしてからの6年間だけでなく、29年間生きてきたこのすべての思いと感謝を乗せて」、再度「全てあげよう」を熱唱し、“膝スラ”でフィニッシュした。
その後、ダンサーとバンドメンバーと一列に並んで肩を組み、観客に向かって深々とお辞儀をすると、会場からは2時間のパフォーマンスを称える拍手と声援が沸き起こった。
そして、ダンサーとバンドメンバーがはけた後も、会場にひとり残り、何度も手を振り、観客への感謝があふれ出て止まらない様子の新浜。初の単独コンサートツアーをやり遂げた安堵と喜びに加え、その目の奥には、自分を支えてくれている人たちへの感謝と、さらなる成長を誓う決意が見えた。
取材・文:河上いつ子
■『新浜レオンファーストコンサートツアー~全てあげよう~』セットリスト
2025年7月27日(日) 東京・きゅりあん大ホール
M1 全てあげよう(6thシングル)
M2 くちづけ(6thシングル カップリング)
M3 青春時代(森田公一とトップギャランさん カバー)
M4 炎のkiss(7th両A面シングル)
M5 メラメラ・ギラギラ(7th両A面シングル カップリング)
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