【エンタメ総合】
『DOPE 麻薬取締部特捜課』長谷川Pが語る 高橋海人&中村倫也らに“惚れ込んだ”姿

金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』の場面カット(C)TBS


 King & Prince・高橋海人(高=はしごだか)、俳優の中村倫也がW主演を務める、TBS系金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課(読み:ドープ マヤクトリシマリブトクソウカ)』(毎週金曜 後10:00)。VFX(視覚効果)を駆使した迫力あるアクションと緻密なキャラクター造形。その裏には本作のプロデューサー・長谷川晴彦氏とキャスト陣の濃密なやり取りがあった。作品の世界観づくりからクライマックスの見どころまで、長谷川氏に制作秘話を語ってもらった。



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■意見交換で形になった第5話・第7話



――今回、出演者にオファーした後に作品の説明をするために、長谷川さんが直接お会いしたと聞きました。

そうなんです。本作は異能力ものであることに加えて、VFXを用いたアクション要素もあるので、作品の企画書だけでは想像し切れないと思ったんです。なので、特に物語の主軸で動くことになる高橋さん、中村さん、ジウ役の井浦新さんと直接お会いしました。

想像しやすいように、以前私がプロデューサーとして携わったNetflixシリーズ『極悪女王』(2024年)で用いたVFXの参考映像や、本作のアクション監督を担当した田中信彦さんが作ったデモリール(過去作品をまとめた映像集)などをお見せしたところ、皆さんから「すごくチャレンジングな企画だね」「ぜひやってみたい」という言葉をいただきました。



――出演者の皆さんとキャラクター造形や脚本に関して意見交換をされたということですが、提案を受けたこと、リクエストしたことを教えてください。

才木と陣内について、2人が“正反対バディ”から本物のバディになっていく過程について、多くの意見交換を行いました。

特に、2人の距離が近づいた第5話と第7話は、一緒に作り上げた感覚があります。陣内が才木を復讐に巻き込むことをやめる第5話は、私と中村さんの中で方向性を合わせるために、中村さんに「こういう方向でいきたい」と事前に提案し、脚本にも反映していきました。



――第7話はどのように作り上げていきましたか?

第7話で才木のもう一つの異能力である「サイコメトリー(物体に残る人の残留思念を読み取る能力)」が開花します。これは、中村さんと話している中で思いついたアイデアです。この第7話について、スタッフ、キャストともに、それぞれ思いが強かったため、やりたいことが微妙に違っていたんです。誰かの意見を尊重すると、別の誰かのやりたいことができなくなってしまう。多くのやり取りを経て、最終的に非常に良い選択ができたのではないかと思います。



陣内が殺害された妻・香織(入山法子)の復讐のために、元同期で親友である戸倉俊仁(小池徹平)を殺そうとするのを、才木がどう止めるか。例えば、今まで陣内に教えてもらったことを伝えるのか、バディとしての自分の気持ちを吐露するのか、自分が育ってきた環境、今どんなことを考えているのか。ここまで積み上げてきたものから、それぞれ意見が出たんです。



原作には才木の妹・結衣(蒼戸虹子)は出てきませんし、この時点ではまだ母親の美和子(真飛聖)も更生施設から退所できていない状態。その中で、これまで才木家のパートを高橋さんが丁寧に演じてくださっていたので、陣内を止める上で才木が育った環境やジレンマを語ることが一番説得力を持つだろうという結論に至りました。



■井浦新・ジウ像の裏側にあった“自由”という発想



――キャストの皆さんと意見交換をする中で、生まれたアイデアなどはありますか?

たくさんありますね。例えば、謎の男・ジウのキャラクターについては、井浦さんと話し合いながら「つながりを気にしないキャラクターにしよう」と決めたんです。

白髪の量や目の色、爪の色まで、撮影ごとに統一せず、あえて“自由”でいる。通常のドラマ制作は時系列のつながりを重視するのですが、ジウに関してはそういった枠を取っ払うことで、より異質な存在感を出せたと思います。



――第1話で、ジウが国会議事堂前で異能力を使うシーンも印象的でした。

あれも実は当初、異能力はまだ見せないつもりだったんです。でも井浦さんから「ここで見せたほうがいいのでは?」という提案があり、やってみたら結果的にすごく良くて。ジウが全知全能な異能力の持ち主であることを早めに印象づけられたのではないでしょうか。



――陣内とのやり取りも独特な空気感がありますね。

第1話~第3話で描かれていた、陣内とジウの“戯れ”のシーンも、井浦さんから多くのアイデアをいただきました。



特に、ジウがホームレスのような格好で哲学的なことを語る場面があるんですが、あれは昔の哲学者の言葉をモチーフにしていて、「IQの高い会話をやれたら面白い」といった提案から生まれたものです。



――第4話での才木と捜査一課・管理官の椿誠司(忍成修吾)の“決別”のシーンも印象的でした。

あのシーン、台本にはなかったんです。椿が死ぬ流れの中で、実は内偵だったことが明かされる構成にしていたのですが、撮影中に高橋さんから「決別の場面を入れたほうがいいのでは?」と提案があって。それがすごくふに落ちて、結果的にあのシーンを入れて良かったと思っています。ヒーロー像として、才木の立ち位置をしっかり描けた気がします。



■現場で輝く、長谷川Pが惚れ込んだ俳優たち



――高橋海人さんの印象は?

最初は高橋さんのことを感覚派の“天才型”なのかなと思っていたのですが、実はすごく熟考される方で、役作りも本当に丁寧。若いのに芯があって、撮影前から何度も相談してくれるほど真摯に取り組んでくださっています。



才木は不遇な環境に育ちながら、心が強い状態で物語が始まるという、非常に珍しい主人公。しかも周囲に陣内、ジウといった強烈なキャラがいる中で、才木を“主役”として立たせるのは本当に難しいと思うんです。ですが高橋さんは、常に作品のことを考えてくれていて、第7話以降は一緒に作り上げている感覚です。



――中村さんの魅力についても教えてください。

中村さんとは12年ほどの付き合いになりますが、本当に天才ですよね。デビューしたての頃から見てきているので、彼が私では想像し切れない努力と勉強をされて、天才になったんだなと感じています。台本も深く読み込んでくれるので、「プロデューサーをやってみたら?」と提案したこともあるほどです(笑)。



――他にも、本作を通して感じたキャスト陣の魅力はありますか?

井浦さんは僕の中では昔からアイドルでありスターですが、ますますファンになりました。「久しぶりに悪役が来て、すごくうれしい」とおっしゃっていたのが印象的です。思いもつかないアイデアをたくさんくださり、日々舌を巻く思いです。



また、(綿貫光を演じる)新木優子さんとは本作で初めてご一緒しましたが、撮影現場での佇まいや雰囲気が本当にかっこいい方だなと感じました。何より、アクションでは歯を食いしばるようなシーンにも挑戦してくれて、きっと綿貫よりもかっこいいマインドを持っているんだろうなと思います。



■台本を超えて広がる芝居の深み

――特捜課メンバーのスーツを真っ黒に統一した意図は何ですか?

フィクション度が高い異能力ものなので、おのおの違う衣装にするとキャラクターが尖り過ぎてしまうと感じました。そこで、黒のトーンで統一したスーツを着ることで、落ち着きつつもかっこよく見え、変な尖りもなくなるのではないかと考えました。異能力という突出した個性があるからこそ、服装で差別化を図る必要はないと思ったんです。

並びのことも考えてのキャスティングだったのですが、特に柴原は身長が高い方が良いなと思っていた時に、以前ご一緒したことのある豊田くんのことが思い浮かんでオファーさせてもらいました。皆さん、黒スーツが似合っていますよね。



キャラクターデザインを担当している高橋毅さんにリクエストして、デザイン画を1枚1枚上げてくださったのですが、すごくバランスが良いコーディネートになっていて、さすがだなと感じました。



――初報で「2人のお芝居で数回泣いた」とコメントされていましたが、どんなシーンですか?

第3話で美和子が更生施設を退所する場面は、台本では座った状態から「退所していいって言われたよ」というセリフで始まっていたのですが、撮影当日、高橋さんから「取り留めのない話から入ってもいいですか」「テーブルについたらお母さんの手を握ってもいいですか」と提案があって、ぜひやってみましょうと。その結果、窓の外の天気の話から始まり、「座って」と促し、「話があるんだ」と言って手を握る流れになった。才木の優しさがぐっと伝わってきて、僕は見ながら泣いてしまいました。



第1話の屋上

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