【エンタメ総合】
荒川良々主演舞台『震度3』開幕 出演の丸山隆平、上白石萌歌らからコメント到着

赤堀雅秋プロデュース『震度3』舞台写真(撮影:引地信彦)


 俳優の荒川良々が主演し、丸山隆平(SUPER EIGHT)、上白石萌歌が共演する赤堀雅秋プロデュース『震度3』が、きょう21日から東京・本多劇場で開幕した。



【舞台写真】上白石萌歌の車椅子を押しながら…回収員姿の丸山隆平



 作・演出である赤堀氏の作品の特徴は、ありふれた日常中に散見する取るに足らない出来事の連鎖と、そこに映し出される人間の卑俗(ひぞく)さ・暴発を生々しく、独特のユーモアを交えて描くことにある。最新作『震度3』で3人のほか、あめくみちこ、水澤紳吾、山下リオ、西本竜樹、松浦祐也が脇を固めている。



 このほど、赤堀氏とキャストから開幕に際して、コメントが到着した。



■赤堀雅秋/作・演出・出演



とにかく無我夢中です。

素晴らしいスタッフ・キャストと共に、まさに、手作りで原始的な「物作り」をしているといった感じ。

難しく考えず(ま、特に難しい作品でもありませんし)、全身全霊で舞台上に生きる役者の息遣いを感じていただけたら幸いです。



■キャストコメント



▼荒川良々



いよいよ始まります! いやそれにしても毎日暑いです!

皆さま気をつけてお越しください。

……劇場は空調がガンガン効いてると思うので、不安な方は羽織りなど持ってきて観劇してください。

暑いですし、いろんな事で皆さまイライラされてると思います……その日常を忘れさせられるように演者もスタッフも、ひとえにオモシロい作品を届けたくて稽古してきました。

出演してる自分で言うのもナンですが、生きていくのはツラい事がほとんどです。

でもこの舞台に出てる人間を観たら「もう少し生きててもいいや」と思える、赤堀雅秋渾身の作品だと思ってます!

それでは皆さま劇場でお待ちしてます。



▼丸山隆平



久しぶりの赤堀組。舞台上でどれだけ感情柔らかにその場を感じて動けるのか。その場に生々しく存在するために稽古を重ねて重ねてきました。

人間は不安定な生き物で、日々状態は微妙に変わるもの。舞台上でのキャッチボールを毎日新鮮に続け、どんな風に生きていくのか。

稽古の中でようやく「小池」が僕の中に息づいて来ました。

彼を舞台という架空の世界で自由にしてあげる事で、その時間だけは「小池」が実際に存在するわけですから。

ん……、何を言ってるのやら。冷静に自分の文章読んでなんか、今恥ずいです。

ま、取り敢えず、能書はこの辺にして。

まだまだ、暑い日が続くのか、明日はどうなるのか、都市伝説とかニュースとか、何が現実で虚構かもわからない訳で。

自己判断がより大切になってきている気がします。まぁ、いつの時代もそうですけど。

この劇でみなさんの何が揺れるのか、揺れないのか。

もうすでに僕の中で揺れは起こってます。いつからなのかは忘れましたが。

この危機感を麻痺させないように、思考停止しないように大切にいきたいものです。

よく忘れてしまうけど、大切な自分の中の部分を。

僕は定期的に赤堀さんの作る演劇に救われて来た人間です。

『震度3』、いろんな人間が舞台の上で生きます。

あなたの目にどのように映るのか怖いけれど楽しみです。ぜひ、揺れに来てくださいませ。



▼上白石萌歌



『震度3』いよいよ開幕を迎えます。

ナマモノである舞台特有の緊張感に身体中がヒリヒリとしています。

赤堀さんの言葉を自分なりに咀嚼(そしゃく)し、探索しつづけるお稽古の時間は苦しくも、とても楽しくぜいたくな日々でした。きっと千穐楽を迎えるまで、生き物のように変化し続ける作品になるのではないかと思っています。役として板の上にしっかりと存在し、息を吸っていられるように努めます。

ぜひこの作品の世界を肌で感じていただきたいです。劇場でお待ちしております!



▼あめくみちこ



稽古場で培ったものを大事に、座組の皆さんにパワーをもらいながら、私も全身全霊で本多劇場の空間に立ちたいと思っています。

娘役の萌歌ちゃんとの場面が多いのですが、お互いにたくさん共鳴し合い、お客さまに届けたいです。

楽しんでいただけますように!



▼水澤紳吾



とにかく、その場に生きていられるように。

そこにいて、息をしている、汗をかいている姿を感じていただけるように。

最後まで稽古場でもがき続けます。

舞台上から劇場へ広がるエネルギーを持って帰っていただけるように頑張ります。

劇場に足を運んでいただけることに感謝しかありません。

赤堀作品の魅力を届けるべくスタッフ、キャスト一丸となっております。

どうぞよろしくお願いいたします。



▼山下リオ



自分自身では手応えはないですが、美佐として生きて呼吸できるよう、稽古で積み重ねたことを信じて頑張るのみです。

とか言いつつ。「生きるって何だろう」、なんて立ち止まってしまう瞬間があるのですが、この作品の中にもその、一つの答えがある気がします。

日常は続く。今日も生きている。

それが見どころでもあるのではないでしょうか。

ぜひとも劇場でお会いできることを楽しみにしています。



▼西本竜樹



稽古に参加しながら、とてもいい稽古場だなぁと実感していました。

赤堀さんの細やかな演出に応えようとする役者陣の奮闘、泣き、笑い、いろいろありました。

稽古で、場面に出ている時も観ている時も『震度3』の世界が立ち上がる、その時その瞬間を感じることが、とても楽しかったです。

いい稽古場だったということは、本番も、ご期待ください!!



▼松浦祐也



赤堀さんの演出や共演者の方々の助力で、毎日、濃い稽古時間を過ごせてきました。

登場人物全員がいびつで愛おしく、そんな各人の様を楽しんでいただけたらと思います。

終演後、劇場を出た時の風景がお客様にとって新鮮に映ればいいなぁと思っています。

懸命にやりますので、お楽しみいただけたら幸いです。





■あらすじ



暑い。沸騰直前のような熱気で、街がひずんでいく。だが気候も天候も言い訳にできない仕事がある。ごみ収集のような。都内近郊の住宅街を、別府(荒川)が運転し、小池(丸山)と嶋(水澤)が集積所のゴミを集めるパッカー車がゆっくりと走っていく。



息苦しさで口を開けたまま必死に走る小池と嶋。どこか上の空の別府。

いつもの仕事の風景は、「やめて!」という女の叫び声で中断される。

飛び出してきた女・順子(あめく)は残ったゴミ袋を漁り、「百万円を挟んだ雑誌を誤って捨ててしまった」と訴える。



必死さのあまり回収員を貶めるようなことまで言い出す順子。

車椅子に乗った娘・香澄(上白石)と順子の恋人・菊池(西本)も現れ、意味の見出せない不毛なやりとりが続く。



夜。仕事を終えた3人は、いつものカラオケスナックへ。

ママをやっているのは小池の恋人でもある美佐(山下)だ。

いつもの顔ぶれで繰り返す、どうでもいい話。

合間に同僚・八田(松浦)が持ち込む小さなザワつきにも大した意味はない。

次第にあらわになる香澄たちの「家庭の事情」。

その場に挙動不審な男・稲葉(赤堀)までが現れ、状況はさらに混沌としていく。

『予言の日』まであと3日。

人類は、オレたちは、滅びるのか否か。

関連記事


最近の記事

茨城の求人情報