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NHK-FMで安田淳一原案のオーディオドラマ『田毎の月が沈む』放送 棚田と米作りの現実描く

NHK-FMで安田淳一原案のオーディオドラマ『田毎の月が沈む』放送


 映画『侍タイムスリッパー』でアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した安田淳一が原案を手がけたオーディオドラマ『田毎の月が沈む』が、8月23日夜10時からNHK-FM『FMシアター』枠で放送される。



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 同作は、安田監督自身の体験をもとに構想されたドラマ。舞台は新潟の山間部にある広大な棚田(たなだ)で、赤字経営や後継者不足によって荒廃が進む現実を背景に、米作りに関わる人々の葛藤と再生の物語が描かれる。主演には、女優業と農業を両立する小林涼子と、東宝シンデレラオーディション史上最年少グランプリの白山乃愛がダブル主演を務める。そのほか、鈴木杏樹、美村里江、奥田瑛二、山口馬木也らが出演する。



 物語は、棚田を一人で守ってきた老人・玄次郎(奥田瑛二)の死をきっかけに動き出す。娘の瑞穂(小林涼子)と早苗(美村里江)、玄次郎の内縁の妻・和枝(鈴木杏樹)、幼い息子、そして瑞穂の娘・楓(白山乃愛)がそれぞれの立場から“続ければ赤字、やめれば大赤字”の棚田の相続を巡る家族会議を繰り広げる。物語の語り手でもある楓の視点を通じて、米作りをめぐる家族の歴史と未来が浮かび上がっていく。



 安田監督の前作『ごはん』に共感したディレクター・佃尚能の提案から生まれたこの企画は、昨今の米不足や備蓄米問題など、米を取り巻く状況が大きく変化する中、「今こそ伝えたいテーマ」としてテレビではなく、短期間で制作できる“オーディオドラマ”という形で実現した。



 安田監督は「米作りをやめるほうが早いという現実があるなかで、それでも続けるのは使命感や責任感」と語り、「この作品が、米という文化の行く末を考えるきっかけになれば」とコメント。主演の小林は「瑞穂を演じられたことは運命。毎日お米を食べられることが当たり前ではないという小さな気づきに繋がれば」と思いを寄せた。



 同作は、経済的合理性だけでは測れない“日本の米文化”の意味と価値を問い直す物語として、多くのリスナーに届けられる。



■放送予定

8月23日(土)後10:00〜10:50 <NHK-FM>

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