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「朝シャンはハゲる」って本当? 紫外線の影響は? 猛暑が抜け毛につながる…対策を皮膚科医が解説

夜にお風呂に入ったのに、朝起きたら寝汗でベタベタ…。夏はシャワーを浴びないと出かける気にならないという人も多いはず。とはいえ、ネットでまことしやかに囁かれている「朝シャンはハゲる」という説も気になるところ。ただでさえ夏の強い紫外線は、“秋の抜け毛”を誘発することもあるらしい。抜け毛や薄毛の治療の経験も豊富なクリニックフォア監修医兼ナチュラルスキンクリニック院長の皮膚科医・圓山尚先生に聞いた。
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■寝汗やニオイが気になる…、朝シャンする際の注意点
――ネットで、「朝シャンはハゲる」という説を見たのですが、本当ですか?
「まず、朝シャン自体が直接の原因になることは考えにくいです。ただし、朝は時間に追われるあまりすすぎが不十分になったり、シャンプーが頭皮に残って刺激になるなどして頭皮環境が悪化し、結果的に抜け毛に繋がる可能性はゼロではありません。とはいっても、これは朝シャンに限った話ではなく、夜にシャンプーする場合でも同じことが言えます」
――なぜこのような説が広まったのでしょうか?
「『抜け毛の原因は頭皮の汚れ。だから、朝も夜もシャンプーをすべきだ』という意見に対して反論する形で、『洗いすぎも良くない』という意見が出てきたのではないかと思われます。たしかにどちらも一理あるのですが、頭皮環境や体質は人それぞれ異なりますから、一概にどちらを採用すべきとは言い切れません」
──なるほど! では、朝シャンをする場合の注意点を教えてください。
「一番大切なのは、シャンプーが頭皮に残らないようにしっかりと洗い流すことです。夜にシャンプーはしたけど、寝汗のベタつきやニオイが気になる場合は、シャンプーを使わずにお湯だけですすぐ“湯シャン”でも十分です。いずれにしてもシャンプーを使うのは1日に1回が目安。朝も夜もシャンプーを使って洗うと頭皮が乾燥し、抜け毛の原因にもなります。またシャワーの温度も低刺激を意識して、36~38度のぬるま湯に設定してください」
──今の季節、頭皮への紫外線の影響は抜け毛の原因にもなりますか?
「直接的な抜け毛の原因ではありませんが、頭皮に炎症をおこしたり毛包にダメージを与えることで抜け毛につながる可能性があります。そのため、紫外線は髪の毛の大敵です。通常、髪の毛が紫外線をはじめとするダメージから頭皮を守ってくれていますが、そもそも頭皮に紫外線を浴びないよう、帽子や日傘などでガードすることも大切です」
──紫外線ダメージで抜け毛が増えた場合、元に戻りますか?
「基本的には、徐々に回復します。紫外線によるダメージが治まってヘアサイクルが改善したら、また新しい毛が生えてきます。抜け毛には季節性もあり、特に多く見られるのが、強い紫外線を浴びた後に起こる“秋の抜け毛”です。これは概ね9~10月頃に抜け毛が増え、11月~12月頃にはなんとか回復するというパターンですね」
──ただ、抜け毛が増えた後、本当に回復するのかちょっと心配です…。抜け毛が増えないように、頭皮が日焼けした後に自分でできるケア方法は何かありますか?
「頭皮が紫外線で炎症を起こしている場合、まずは炎症を抑えることが重要。頭皮が真っ赤になっている場合、医療機関ではステロイド配合の外用薬を処方することもあります。オンライン診療での診察も可能です。そこまでひどくない場合は、寝る前に頭皮用の保湿ローションも良いでしょう。頭皮も、顔や体と同じ皮膚の一部なので、紫外線を浴びたらスペシャルケアをしてあげることが大切です」
──抜け毛や薄毛治療を専門とするAGAクリニックも一般的になりましたが、日焼けにより頭皮がダメージを受けたことによる抜け毛の場合、皮膚科とAGAクリニックどちらを受診すればいいのでしょうか?
「頭皮が日焼けによるダメージを受けている場合や、原因がわからない場合は、まずは皮膚科を受診し、頭皮の状態を診てもらった方が良いです。炎症・皮膚疾患の有無を確認し、それに応じた治療ができます。皮膚科では、保険診療で対応できる範囲も広いです。その上で、自由診療の専門的な治療が必要だと判断された場合、AGA専門クリニックを受診するといった順番をおすすめします。クリニックフォアでは、保険診療の皮膚科と自由診療のAGAどちらも診療が可能です。頭皮のトラブルを整えてから、AGA治療までトータルでご相談いただけます」
<プロフィール>
圓山 尚(えんやまたかし)
クリニックフォア監修医兼ナチュラルスキンクリニック院長の皮膚科医。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。現在はクリニックフォア監修医と永福スキンクリニック(現ナチュラルスキンクリニック)の院長を務め、”美のかかりつけ医”として活動している。
(文:児玉澄子)