【映画】
妻夫木聡、映画『宝島』で手に入れた“宝”とは――作品を“届ける”ことに向き合った3ヶ月を総括

映画『宝島』東京キャラバン(10月2日)に登壇した(左から)真藤順丈(原作者)、妻夫木聡、大友啓史監督


 公開中の映画『宝島』が、観客からの熱い支持を集めている。舞台はアメリカ統治下の沖縄。混乱の時代を生き抜いた若者たちの葛藤と友情を描く本作は、公開からわずか2週間でSNS上に多くの感想や議論が広がり、沖縄では連日満席の劇場も続出。全国で反響を呼んでいる。



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 主演の妻夫木聡と大友啓史監督は、6月から3ヶ月以上にわたって全国キャラバンを実施。作品への熱い想いを各地で伝えてきた。10月2日時点で30都市に到達(初日舞台あいさつを除く)。同日、新宿バルト9で行われた東京キャラバンでは、最大収容のシアター9を満席にした。舞台あいさつ後、妻夫木が取材に応じた。



 公開から2週間が経った今の心境について聞くと、妻夫木は次のように答えた。



 「普通なら公開を迎えると一区切りという感覚があるんですが、『宝島』にはそれがないんです。オンちゃんから託された命のバトンを、グスクは観客に渡す。そのバトンを受け取った僕たちが、これからどんな未来をつくっていくのか――それこそが“結末”だと思っています。“ハッピーエンド”は、これから僕たち自身が選び取るものだと感じています。だからこそ、公開が始まっても『まだできることがあるんじゃないか』と、思ってしまうんです」



 全国キャラバンでは、多くの観客と直接対話する機会があった。その中でも、特に心に残ったのは、ある観客の一言だったという。



 「『今すぐ帰って子どもを抱きしめたい』という言葉が、ものすごくシンプルに響きました。僕自身もそう感じましたし、それが映画をつくる意味であり、俳優をしている理由だとも思えたんです。この映画は沖縄の激動の時代を描いていますが、観た方が“自分にとっての宝物とは何か”を考えるきっかけになれば、本当にうれしいです。映画は娯楽でありながら、そこから何を受け取るかは観客の自由。賛否両論があるのもまた、映画の魅力だと思っています」



 さらに妻夫木は、キャラバンを通して得た実感についてこう語った。



 「この映画から得たものは、本当に大きかったです。俳優としてというより、人として何を大切にして生きていきたいのか、改めて見つめ直す機会になりました。そして、自分の信じる道を歩けていると感じられたのは、本当に大きな経験です」



 今後への想いについては、力強くこう続けた。



 「キャラバンで受け取った声の一つひとつが、僕にとってかけがえのない“宝”になりました。やっぱり僕は、作品を通して誰かとつながることが好きなんだと、心から思いました。『宝島』で得たこの感覚は、きっとこれからの作品にもつながっていくと思います」



 あなたにとっての“宝”を見つけに、ぜひ劇場へ足を運んでみてほしい。

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