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北山宏光、三船敏郎さんが演じた“大役”に覚悟「僕が演じる意味を持たなければ」 6年ぶり主演舞台

歌手で俳優の北山宏光が16日、都内で行われた主演舞台『醉いどれ天使』製作発表に出席。三船敏郎さんが演じた若いやくざ・松永を演じる思いを語った。
【写真】真剣⋯覚悟の表情で役への思いを語る北山宏光
北山は、自身が演じる松永について「無骨な言葉づかいもあるのですが、人間らしい柔らかい心の弱さみたいなものを台本から抽出できたらいいな」と分析。「人らしい松永を演じられたら。見た方が共感できる落としどころを表現できたらと思います」とし、「自分なりの松永を生きていきたい」と語った。
同役は、三船さんが演じた大役となる。北山は「とても意識はします」と背筋を伸ばしつつ、「だけど、今の時代で僕が演じる意味を持たなければいけない。大お手本ですが、オリジナルにしていくのが課題になっていくのではと思います」と覚悟をにじませた。
けいこ開始から2週間がたった現在、北山は「ここ数日で『もしかしてここかも!』ってところをつかみだしたところ」と手ごたえがあるようで、期待を高めた。
『醉いどれ天使』は、日本をはじめ世界中に大きな影響を与えた名匠・黒澤明さんと、その多くの作品で主演を務めた三船敏郎さんが、初めてタッグを組んだ作品。戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤をいきいきと描いた映画『醉いどれ天使』は、黒澤さんによる力強く斬新な世界観と三船さんの荒々しくも繊細な演技が絶賛され、名作として今もなお世界中で愛されている。
映画史に輝く本作だが、映画公開の1948年4月から約半年後、ほぼ同じキャストとスタッフが集結し、舞台作品として上演されたという記録が残っている。その後、当時の舞台台本は長い間眠っていたが、近年、発見され、黒澤さんが抱いた舞台への熱い想いが息を吹き返した。黒澤さんの想いを継承し、満を持して2021年に舞台化。大盛況のうちに幕を閉じた。
今回は、新たなスタッフ・キャストにより、25年舞台版『醉いどれ天使』の上演が決定。1948年、2021年の舞台版が持つ魅力を引き継ぎながらも、新たな視点で紡ぐ。映画でも印象的なダンスシーンをはじめ、ライブならではのフィジカルでエネルギッシュな表現も満載。戦後の人々が命を燃やすように生きる姿を濃密に描き出す。脚本は前回に続き蓬莱竜太氏、演出は深作健太氏が務める。
会見には、北山と深作氏のほか、松永と対峙する酒好きで毒舌な貧乏医師・真田役の渡辺大、松永と同郷で彼に思いを寄せるぎん役(Wキャスト)の横山由依と岡田結実、松永の恋人でダンサーの奈々江役の阪口珠美、真田の診療所に住み込む美代役の佐藤仁美、松永の兄貴分・岡田役の大鶴義丹が出席した。
同作は、11月7日から23日まで東京・明治座、11月28日から30日まで愛知・御園座、12月5日から14日まで大阪・新歌舞伎座で上演される。