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集英社・文芸編集部、『青の純度』めぐる“書評”に言及 風評に「断固抗議いたします」
集英社の文芸編集部が24日、「文芸ステーション」公式サイトにて、同社が刊行した『青の純度』(篠田節子著)について声明を発表した。
【画像】「憶測をもとに事実確認もしないまま」『青の純度』についての声明(全文)
発表で「弊社刊『青の純度』につきまして」とし、「弊社刊『青の純度』(篠田節子著)において、フィルムアート社刊『ラッセンとは何だったのか?』(原田裕規編著)を参考文献リストに入れていないことについてのご指摘を受けております」と説明。
「結論から申し上げますと、著者は取材過程において当該書籍および原田氏の他の著作を読んでおらず、『青の純度』は独自に取材した内容をもとに執筆されました。したがいまして、本書の参考文献に当該書籍等は入れておりません」と伝えた。
続けて「本件に関し、原田氏が直接弊社に問い合わせをされず、「書評」という形をとって一方的にご意見を表明されたことに対して大変遺憾に思っておりましたところ、当該書籍の発行元であるフィルムアート社からの問い合わせがありました」とし、「弊社としましては、まず原田氏ご本人へ直接ご説明をすることが最優先であると判断し、フィルムアート社を通じて、『青の純度』の取材過程および執筆などの詳細を時系列とともにまとめ、原田氏に対し説明をいたしました。経緯説明の文書は、10月22日にフィルムアート社にお渡ししています」とつづった。
「それゆえ、ご本人以外からの取材依頼に対しては、これまで回答をしておりませんでした」としたが、「しかしながら、現在、SNS上におきまして事実とは全く異なる風評が広まってしまっているということから、ここに読者の皆様にも経緯をお知らせする次第です」とこのタイミングでの発表についていきさつを説明した。
さらに「最後になりますが、SNS上にて、憶測をもとに事実確認もしないまま、作家に対し「剽窃」などと断じる行為に対しては断固抗議いたします」ときっぱりと伝え締めくくった。
『青の純度』は今年7月4日に発売。煌びやかな「バブル絵画」の裏側に潜んだ底知れぬ闇に迫るアート×ミステリーの物語。篠田氏は、1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。97年『ゴサインタン 神の座』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。20年紫綬褒章を受章した。
原田氏はアーティスト。テクノロジーやパフォーマンスを用いて、社会や個人の本性(ほんせい)を「風景」や「自画像」のかたちで表現している。2012年に「ラッセン展」と「心霊写真展」の企画でデビュー。クリスチャン・ラッセンの作品分析などを記した『ラッセンとは何だったのか? 消費とアートを越えた「先」』(フィルムアート社)などを手掛けた。












