
【エンタメ総合】
夜ドラ『いつか、無重力の宙で』きょう最終回 木竜麻生&森田望智&片山友希&伊藤万理華が座談会【全文】
NHK大阪放送局制作の夜ドラ『いつか、無重力の宙で』がきょう30日に最終回を迎える。放送に先立って天文部の4人を演じた木竜麻生、森田望智、片山友希、伊藤万理華の座談会の様子が届いた。
【場面カット】第32回…全員がミッションを見守る
高校時代「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った天文部の女子4人組。30代になりそれぞれの道を歩む中、ふと忘れていたかつての夢と再会し「超小型人工衛星だったら…今の私たちでも宇宙を目指せるかもしれない…!」と2度目の青春が始まるストーリー。天文部の同級生4人を木竜、森田、片山、伊藤が演じる。
きょう放送回では、飛鳥(木竜)たちが完成させた人工衛星は、無事に宇宙へと旅立ち、いよいよひかり(森田)の思い付きである「宇宙から地球を見た時の名言」を発するミッションに挑戦することに。宇宙から地球へと届くその声に、思いを馳せる飛鳥・周(片山)・晴子(伊藤)。そんな中、彗(奥平大兼)から思いもよらぬ一言が。大人になるにつれ、この世界の重力は少しずつ大きくなる。そんな大人たちが目指した夢のその先は…。
【座談会全文】
――初めて会ったときのお互いの印象はいかがですか。
木竜:「会う前の印象」と「会った後の印象」のギャップで言えば、望智ちゃんかな。
森田:どんなイメージだった?
木竜:自分の中でイメージを作り出していたんだよね。もっと、現場でキュッと集中する感じの「お仕事モード」の人なのかと思っていた。そうしたらスタートから、心の扉が「パッコーン!」ってあいていて「こんなに話しやすい人なんだ」ってすごく意外だった。
森田:麻生ちゃんは、人に合わせることができるよね。話し方とかトーンとか。だからみんなに「初めまして」な感じを与えない。
伊藤:それはやっぱり、みんなと接するために意識したの?
木竜:意識したってわけではないけど、自分が「緊張しい」なのを知っているから、私の緊張のせいで仲良くなるのが遅くなったら嫌だなと思って。ちょっとでも話がしやすいほうが、みんなのストレスにならないかなって。そういう状態にはしたいなと。
伊藤:うん、すごく伝わった。その空気感が。
森田:優しさだね。
片山:麻生ちゃんは優しい。本当に。
森田:私の中でいちばん変わったのは友希ちゃんかも。
木竜:たしかに。
伊藤:私もそう。
片山:私って言われると思った。
全員:(笑)
片山:人見知りやから。私、最初はあんまりみんなの目を見てしゃべらなかったし、怖いイメージがあるやろうなって思ってた。
森田:でも万理華ちゃんも人見知りだよね。
伊藤:そこまで人見知りしてたかな?最初「どうしよう」と思ってた。同世代の女の子4人が集まる現場が初めてで、緊張した。だからこんなにしゃべれるようになるなんて想像もしてなかった。
木竜:思っている以上におしゃべりが好きだなって思った。
伊藤:大好き、おしゃべり。
森田:でもさ、本当にずっと4人でしゃべってたよね(笑)。
片山:しゃべってた(笑)。
――それぞれ自分の役をどういう人物だと思いますか?
木竜:いちばん最初に南野プロデューサーや演出部の皆さんと話していて印象的だったのが、「飛鳥は『誰か拾ってくれないかな』ってみんなが思っているルーズボールを拾い続ける人」という言葉で。私も演じてみてそれはすごく思ったし、「誰かが笑っていない」とか「誰かに何かありそう」ということがすごく気になるし、気をつかう人だなという印象。そこは少し自分自身と近いところでもあって、最終的に役を捉えるときに意識していたかな。
森田:飛鳥は何にいちばん気をつかっていたんだろう?
木竜:たぶん、人といる空間において、「自分がどの立ち位置にはまればいいか」とか、「どうしたら今この場が円滑に進むだろう」みたいなバランスを常に考えている人だなって。
森田:それって麻生ちゃんだ。
伊藤:そうだよね。重なるよね。みんなは?
森田:ひかりは、台本に「太陽みたいな人」って書いてあって、人の「ここまでしかできない」とか「これ以上は無理」っていう想像の域をポンッて飛び越えられちゃう人なんじゃないかと思って。周りの人たちを巻き込んで、相手の可能性を広げることのできる人。でも、ひかりはみんなに可能性を広げてもらったって意識があるから。それは演じながら発見したことで、すごくおもしろかった。
片山:周は、人に甘えられるところとか、自分と似ているところがあるなと思った。演じるうえでいちばん気をつけたのは、喜怒哀楽を強く出したいということ。怒るときはすごく怒るし、悲しいときは一緒に泣くし。特に「泣こう」と思ってなくても、自然に出てくるものがあったりして。「あ、これはきっと周の自由なところが表現できたな」なんて思いながら。
森田:気持ちが豊かだったよね。ひかりがいろいろと話すとき、周の顔を見たときにぐっと心が揺さぶられたよ。
伊藤:晴子は、大人になった天文部の仲間に入ったのは最後だけど、行動するのはいちばん最初だったんだよね。プロジェクトに入ってから、すごく生き生きしてくる。シングルマザーの晴子は、言ってみれば他の3人とは違って、そういう「夢」みたいな場所からいちばん最初に離脱した人。だから、一度やると決めたら、高校生のときから持ち合わせていた「猪突猛進」の部分が出てくる感じ。
――あなたにとって天文部とは?
森田:4人のシーンを撮っているとき、私は「素」でいられるんだよね。その状態が「好きなことに対して細かいことを一旦何も考えず、夢に向かって一直線に進む飛鳥、ひかり、周、晴子」と似ているなと思って。素でいられる瞬間と、脇目もふらずに好きなものを目指す瞬間って、リンクする気がする。
伊藤:大人になると「そのままでいられる場所」ってあまりなくなってくる。でも、同じ年代の4人で同じ年代の役をやってみて、この年齢になって、それぞれがいろいろ体験してきたからこそ、話せることがあるんだなってすごく思った。
片山:仲良くなれてよかったよね。
木竜:自分が自分のままでいられる4人って感じ。それが天文部なのかな。
伊藤:控え室からずっとしゃべっていたもんね。
森田:カメラが回る直前までだいたい友希ちゃんがしゃべっている。「あんな〜」って(笑)。
片山:めっちゃかわいいやん(笑)。
木竜:「ただ話す」ってことが新鮮だった。友希ちゃんが「何気ない話」をたくさんしてくれるんだよね。私が肩が凝ってると言ったらマッサージしてくれて、「このマッサージオイルがいいらしいよ」とか教えてくれた。たぶん私みたいなタイプが4人いたらこんなに仲良くなれなかったと思う。「何気ない話」を発信してくれる人がいて、乗っかってくれる人がいて。だからこんなに仲良くなれたと思う。
森田:カメラが回っても、控え室での会話の延長みたいな感じだったよね。だから自分の気持ちがうそをついてない。どのシーンでもうそなく居られて、お芝居みたいな気持ちがしないまま、ひかりのままでいられた。
伊藤:たしかに。私もこの4人でいると自然と晴子になってる。立ち位置が、もうそこになっているっていうか。
木竜:すごい仲良しじゃん。
森田:そうだよ。大好きじゃん、私たち(笑)。
片山:うん。
伊藤:というか、対談始まってから友希ちゃんがずっと静かだけど。
片山:苦手なんやもん、こういうの(※取材時は番宣番組用のカメラが回っていた)。
森田:友希ちゃんがふだんいちばんおしゃべりで面白いのに(笑)。
片山:みんなしっかり話してくれているから、私しゃべらんでいいなと思って。
木竜:しかも最後の最後に「しゃべらんでいいな」って。
伊藤:それが友希ちゃん。
全員:(笑)
木竜:4人でこんな感じで仲良くしながら、でもお互いちょっとずつ譲れないところは譲らずに気持ちを持ち寄って、たくさん話しながら撮影した作品だった。それぞれ抱える背景も違うので、4人誰かの思いに共感して「ああ自分もこう思うなぁ」と思いを馳せてもらいながら、「いつか、無重力の宙で」を楽しんでいただけたらうれしいですね。












