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『ばけばけ』脚本執筆→“物語まんま”と史実判明 制作統括「捏造したんじゃないかと思うくらい…」
大阪・大手前のNHK大阪放送局で2日、連続テレビ小説『ばけばけ』に関するトークイベントが行われた。制作統括の橋爪國臣プロデューサーが脚本に関する裏話を明かした。
【写真】おいしそう…しじみ汁に舌鼓を打つ円井わん
野津サワを演じる俳優の円井わんのほか、松江歴史館主任学芸員の新庄正典氏と怪談ばなしの指導を担当した講談師・玉田玉秀斎が参加。イベントでは、玉秀斎が小泉八雲作『怪談』の一節を披露。その一つ「鳥取の布団」を聞き入った円井は「こんな悲しい話なんだっていうのに胸を打たれました」としみじみ語った。
新庄氏は「鳥取の布団」について小泉八雲の『知られぬ日本の面影』において、小泉八雲とセツが鳥取に新婚旅行に訪れた際、宿屋の女中から聞いた話との記述があることを指摘。「ドラマで山根銀次郎(寛一郎)さんから話聞いたというのは違うんじゃないかと思っていたが、その後調べたら、『知られぬ日本の面影』はあくまで八雲の創作で、実際はちゃんとセツさんから聞いていたことが分かった。だから、ドラマの通りなんですね」と明かした。
橋爪プロデューサーは「よかったですね。このドラマで嘘をつかなくて」と胸をなで下ろしつつ、「ドラマの脚本を書いていく中で、“このキャラクターはこうやるだろう”っていうことを思いながら、書いているところがあって、それが後から新しい史料が見つかって史実が(ドラマと同じ展開)そうだって、分かったことが結構あるんです」と打ち明けた。また別の展開でも「半年くらい前に(事実が分かって)、脚本を先に書いて、この人物ならこういう思いでこうなるだろうってやってたら、結構その(脚本の)まんまの史料が見つかって…」と話し、会場を驚かせた。
続けて「僕は新庄さんたちが捏造したんじゃないかって思うくらいぴったりのものがでてきて、すごくびっくりした」とユーモアも交えて語った。
トークイベントは2部構成。前半では、円井と橋爪プロデューサーが撮影秘話や、ドラマ制作におけるさまざまな工夫を明かした。後半は、主人公夫妻のモデルとなった小泉八雲と妻・セツに焦点を当てたトークを展開。また料理指導の広里貴子氏がしじみ汁のレシピを紹介した。
同局では1・2日に「BK大感謝祭2025」を開催。2日にわたって、『ばけばけ』に関するトークイベントやセットの展示を実施。会場には、劇中に登場する松江大橋が設けられた。訪れた人たちは実際に松江大橋を渡り、合成された背景の中で、物語に入り込んだ雰囲気を楽しんでいた。
なお、トークイベントの模様はNHKラジオ「らじる★らじる」のラジオ第一(地域:大阪)で聞き逃し配信中。11月9日まで。












