
【映画】
ムロツヨシ×佐藤二朗×福田雄一、笑いの裏に本気あり『新解釈・幕末伝』の裏側を語り合う
「ペリー来航」「尊王攘夷」「新撰組」「薩長同盟」――激動の歴史の裏側にある“みんなが知っているようで知らない幕末”を、福田雄一監督が独自の解釈で実写化した映画『新解釈・幕末伝』が、12月19日より劇場公開される。公開を前に、ムロツヨシ(坂本龍馬役)、佐藤二朗(西郷隆盛役)、福田監督によるスペシャルトークを収録した動画が公開された。
【動画】映画『新解釈・幕末伝』スペシャルトーク「ボクらの喜劇」
数々の作品を共にしてきた彼らが、これまでの旅路を振り返りながら、普段あまり語ることのない喜劇役者としての熱い思いを、時に真剣に、時に笑いを交えながら語り尽くす。
数々の作品でタッグを組んできた3人だが、そろって「プライベートの交流は一切ない」と苦笑する。ムロは「会うときは何か意味がある時」と言い、福田監督は「僕もムロくんを誘う時は重大なお願いがある時だし。二朗さんとは1回だけ寿司屋でご飯食べましたけど、その時は『舞台をやってくれないですか?』ってお願いしに行った時だし」と明かす。佐藤も「福田と知り合って10年以上になりますけど、福田とサシでご飯食べに行ったのはその1回だけ」と語り、節目の瞬間だけ深く関わり合う3人の関係性がうかがえた。
本作の“新解釈”について佐藤は「福田が信じて疑わない“坂本龍馬”が、ほとんどムロツヨシそのものだった」と笑いを誘う。ムロは「それがまずおかしいんですけどね。『まあまあまあ』って言う人?せりふにもなっていますけど、『まあまあまあ』はどっちにも使いますからね。険悪な時も『まあまあまあ』、いい時も『まあまあまあ、このままいきましょう!このまま!』って(笑)。『まあまあまあ』をよく言ってるみたいです、私が」と認め、福田監督は「僕の解釈では、龍馬はコミュ力だけで生きていた人物」と語った。
一方、“喜劇”への向き合い方について話が及ぶと、3人は普段あまり語らない本音を吐露した。佐藤は「ずっとこの2人と一緒にいて思うのは、アホみたいに笑いを真剣にやってるなということ。僕もそうですけどね。当たり前ですけど人を笑わすのってものすごく難しいから、それこそ鉄をも溶かすような熱量がなきゃできないことなんです。その熱量がこの作品にはちゃんと出ているなと思いました」と語る。
ムロも「その熱量を隠すことが一番かっこいいとは思うんですが、今回は隠しきれなかったシーンがたくさんありますね。それこそ汗ですね(笑)」と応じる。
福田監督も「今回は初めてそこを隠さずに言っていこうという覚悟でやりました。今までは絶対言わなかった!『だいぶ適当にやってま~す』っていうのが僕のカラーでしたから。『この笑いってこんなにこだわられてやられてるんだ~』は何も必要がないんです。でも今回はいわゆる僕がずっとやってきたギャグコメディでは全くない。一生懸命何かを頑張ってるやつが結果的に一番面白いし、結果的に笑えるといういわゆる“喜劇”だから、『ちゃんと汗をかいてがんばりました』は絶対に言っていきたいなと思っています」と語り、“喜劇”への思いを強調した。
トークでは、激動の幕末を“今の時代になぜ描くのか”というテーマにも触れ、本作が単なるコメディにとどまらず、現代に通じるメッセージを持つことが示唆された。
あわせて、喜劇役者たちの“本気”を捉えた場面カットも公開。ムロ演じる坂本龍馬と佐藤演じる西郷隆盛が日本の夜明けを目指して語り合う真剣な眼差しから、龍馬と西郷、そして山田孝之演じる桂小五郎の3人が全身全霊で臨んだ「薩長同盟」のシーンなど、彼らの“本気”が垣間見える。












