
【その他】
大阪発「サステナブルファッション・プラットフォーム協議会」始動、目標は年間8000トンの衣類回収
大阪府と民間企業が共同で進めてきた衣料品の循環型取り組みが、本日「サステナブルファッション・プラットフォーム協議会」として正式に設立された。環境省が推進する「使用済衣類回収のシステム構築に関するモデル実証事業」として2年連続で採択されており、サーキュラーエコノミーの社会実装に向けた動きが本格化する。
【写真】「これでスーツができるのか…」リサイクルウールで誕生したスーツ
同協議会は、2050年のカーボンニュートラルの実現と豊かな地域社会の形成に寄与することを目的に、サプライチェーン全体での連携による「衣類の地域共創型サーキュラーエコノミー」の構築を掲げる。生活者が手軽に衣類回収に参加できる環境整備や、循環利用された衣類のマーケット開拓にも取り組む。
2030年度には、2020年比で大阪府内の焼却・埋立処理される衣類を8000トン削減し、同量を回収することを目指す。また、国内での循環利用(リユース・リサイクル)で年間3500トンを処理する目標も掲げた。使用済み衣類のトレーサビリティ確保や、再生繊維へのアクセス促進なども視野に入れ、協議会が主体となって経済合理性のある再資源化スキームの確立を目指す。
同プロジェクトの背景には、大阪府が循環型社会に向けて進めてきた資源循環の取り組みがある。既に「oHOHo サイクルプロジェクト」として、使用済み衣類を回収・選別し、再販や再資源化につなげるモデル事業が実施されており、2024年度は65拠点で約4.9トンを回収した。選別・処理は、大阪府泉南市にある国内最大級の衣類選別工場で一元的に実施されている。
環境負荷の可視化にも取り組んでおり、温室効果ガス削減効果は「デカボスコア(R)」を用いて算出。2024年度には約2万7000kgCO2eから648kgCO2eまでの削減が確認された。また、リユース可能な衣類はショップなどで販売され、リサイクル製品の開発や再資源化事業者の可視化も進められている。
今後は、政策提言や補助金制度の活用も視野に入れ、他業種との連携によって制度面・技術面の課題解決にも挑む。会員間でのコスト負担の最適化、サーキュラーエコノミー型コンソーシアムの組成、生活者の行動変容を促す小売業の「つなぎ役」としての機能など、多角的なアプローチで活動を広げていく。
協議会は、青山商事株式会社、大阪府、自治体のほか、賛同する企業10社が協業で実施。廃棄される衣類の削減とともに、未来の循環型社会のモデルを構築する取り組みをさらに加速させる構えだ。












