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【RIZIN】ヒロヤ「負けたからこそ新しい自分を見つけられた」元谷戦で得たものと、神龍誠戦への覚悟【単独インタビュー】
12月31日開催の『Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り』(さいたまスーパーアリーナ)で、神龍誠との対戦が決定したヒロヤ。7月のフライ級GP1回戦で元谷友貴に敗れてからの再起戦で、同じくGP準決勝で元谷に敗れた神龍とは、まさにサバイバルマッチとなる。
【インタビュー動画】ヒロヤ「負けたからこそ新しい自分を見つけられた」大みそか神龍誠戦への覚悟
キャリア・戦績では格上と見られる神龍との試合となるが、先日の公開練習でヒロヤは神龍に勝っている点を聞かれると「それは試合で証明したい。やってみないとわからない」と静かに自信をにじませた。RIZIN榊原信行CEOが「フライ級新世代のサバイバルマッチ」と期待を寄せるこの試合に向けて、アメリカ修行の成果を発揮すべく日本で追い込んでいるヒロヤに、オリコンニュースはじっくりと話を聞くことができた。
■進化するベテラン・元谷友貴に敗れて掴んだ「心の強さと嗅覚」
――試合まで3週間を切りましたが、この時期はどんな練習をされていますか?(取材日は12月12日)
【ヒロヤ】僕は試合の1週間くらい前までバンバン練習をやって追い込むので、ギリギリまで対人練習をやって、1週間前から疲れを抜きながら水抜きしていきます。だから、今はけっこう疲れが溜まってる時期だったんですけど、今日は朝から伊澤星花選手のジムに出稽古に行かせてもらって、そこで練習してたら疲労が抜けていい感じに回復してきました。その後はウエイトトレーニングをやって、この取材が終わったら走ってきます。
――東京はかなり寒いですけど、夏と冬はどちらが得意ですか?
【ヒロヤ】僕は両方とも好きですね。それぞれの季節の良さもあるし、温度もあんまり気にしないです。
――7月の元谷友貴選手との試合後、またアメリカで練習されていたんですよね?
【ヒロヤ】はい、試合が終わってすぐの8月から10月末まで行ってました。アメリカでのスケジュールも慣れてきたので、日本とアメリカのどっちが自分の拠点かわからない感じです(笑)。アメリカではビリーと練習してましたが、今回の試合のセコンドはちょっと事情があって難しいみたいです。
――RIZINのビッグマッチに欠かせないヒロヤ選手ですが、大みそか大会は2023年の新井丈戦以来、今年が2回目です。
【ヒロヤ】去年は篠塚(辰樹)にリング上から喧嘩を売られたぐらいで、試合ぐらいインパクトあったみたいですけど(笑)。やっぱり大みそかに戦えるのは誇らしいですし、夢の舞台って感じですよね。普通の大会とはぜんぜん違うし、しかもRIZINの10周年という大会は、本当に選ばれたファイターしか出ることができないのですごくうれしいです。
――大みそかの試合の前に、前回の元谷戦についてもお伺いしたいです。判定で敗れたあの一戦、改めて振り返ってどんな試合でしたか?
【ヒロヤ】約半年が経って振り返ってみると、自分にとって得られたものがすごく大きい試合だったと思います。これまでに勝った試合も負けた試合もたくさんありましたが、久々にフルマークの判定負けで、今の自分の課題であるとか足りない部分が見えた試合でした。それと同時に、自分がもうすぐトップ戦線に行けると確信した試合でもあり、本当にマイナスもプラスも得られるものが大きかったと感じています。
――今は冷静に分析されていますが、優勝を目指していたフライ級グランプリの1回戦で敗退だったので、試合直後はかなり落ち込んだのでは?
【ヒロヤ】そうですね、負けた直後は本当にドーンって落ち込んだし、格闘技って甘くないなって思えたというか、RIZINデビュー戦みたいな気持ちになりました。「そりゃそうだよな」って、そんなに簡単に勝ち上がれる世界ではないので。でも、元谷選手と戦えた部分も確実にあったし、元谷さんがグランプリを勝ち上がっていくことで「俺が弱いから負けたわけじゃなく、やっぱり強い選手だったんだ」って確認できたことで自分の自信にもなって。そういう意味で、初戦で負けましたけど“いい相手”に負けたのかなと思います。
――試合直後の会見では「自分みたいな凡人は2倍、3倍、10倍やっていかないといけない」と語っていました。実際に元谷戦から今日まで、それくらいやってきた手応えはありますか?
【ヒロヤ】それだけやってきましたし、自分はどこにいても一番下からやっていくタイプだったんで。地元でセミプロみたいな試合に出てた時は、DEEPやパンクラスに出場していたプロ選手と練習して、JTTに入ってからはRIZINに出ている選手と練習して、今はアメリカでUFCファイターと練習して。そうやってたくさん経験して、今は習うことも大事だけど自分の感覚とか経験したものの価値を自分で見つけていく段階です。信頼できるコーチのアドバイスを全て聞くことも大事ですけど、そのなかで自分の嗅覚をもうちょっと大事にして、その上で「絶対に勝つ」という強い気持ちがないとトップファイターに勝つことは難しいと、元谷選手との試合で感じました。例えば、RIZINでは1ヶ月未満で試合が決まることもあるので、それでも勝っていくにはその嗅覚が自分にとって今一番必要なんじゃないかって気づくことができて、新しい自分を見つけられた半年だったと思います。
――元谷選手に敗れたことでいろいろな発見があったんですね。
【ヒロヤ】どの選択も自分がして、どの責任も自分が負う。そんな戦い方ができるようになった。強い心ができたというか、自分の土台ができてきた感覚です。技術だけじゃなく心の強さ、やっぱりそれがめちゃくちゃ大事だと気づくことができました。
■“格闘エリート”神龍誠に「アメリカで学んだトータルMMAで勝利する」
――大みそかで対戦する神龍選手とは、いつか試合をする考えはありましたか?
【ヒロヤ】2026年の後半で当たるかなって、なんとなく思ってました。RIZINフライ級の若手の中でトップを走っていた選手で、自分も上がっていく中で戦うだろうと考えていましたが、いろんな流れがあってタイミングが早まったなって感じです。
――神龍誠というファイターの印象は?
【ヒロヤ】格闘エリートって感じです。自分より若くて、10代からずっと格闘技だけをやって生きてきた選手なので尊敬していますし、フライ級の顔というか頭一つ抜けてるファイターだと思っています。
――試合決定のタイミングで神龍選手のATT所属も発表されました。
【ヒロヤ】自分も2年前の大みそか大会の直後からアメリカに行って、2年くらい練習をやってきたので、アメリカでの生活の状況とか心境とか、一番わかる立場なのかなって思います。その中でもATTって素晴らしいジムで優秀な指導者もフライ級のすごいファイターも揃っていて、さらに伸びていくっていうタイミングの神龍選手と試合ができるのは、俺にとってもプラスになります。
――この試合が発表された配信特番で、ヒロヤ選手は「打撃や組みの単体じゃなく、MMAで戦わないといけない」とおっしゃっていました。この言葉の意味をもう少し噛み砕いて教えていただけますか?
【ヒロヤ】日本とアメリカの差という訳じゃないですけど、僕は日本人って一つのことをやるとすごく強いと思っていて、レスリングや柔道、空手などの競技ではオリンピックでメダルを取るなど結果を残していますよね。頭が良いし、一つのことにこだわるからそこまで極められる。でも、MMAはすべての技術を使って“格闘IQ”で相手を倒す競技だし、際の変化のところで切り替えられないのかなと。レスリングが得意な選手が打撃で劣勢になった時に、客観的に分析してグラップリングに行くのか、テイクダウンを狙って1回立たせてから打撃に行くのか、シチュエーションに合わせて変えていくことが大事なんです。アメリカのMMAはトータルで勝つことを大事にしていて、グラップリングで攻めるだけじゃなく「立つのか、極めにいくのか」っていう展開を作っていく。それがMMAで戦うということ。打撃で攻められたら打撃で戦うんじゃなく、自分の強い展開に持っていくのが大事なんです。
――状況に合わせて判断して、相手のペースにならないように展開を作っていく。
【ヒロヤ】そうです。際で戦うというのは、自分の強みにこだわりすぎないで、頭で考えるのも大事だし、考える前に体を動かせるように染み込ませるのも大事。自分が練習でやってきたこと以上のものは試合では出せないので、染み込ませるためにはひたすら練習のみです。だからこそ、MMAの練習ってめちゃくちゃやることが多いし、相手によって対策も変わってくる。それが大変なんですけど楽しいんですよね。ボクシングだとボクシングを極めてる人には絶対に勝てないけど、対戦相手と差があるって言われても格闘











