【その他】
年末年始の寒暖差に要注意 “見えない危険”ヒートショック 離れて暮らす親には「最新アイテム×声かけ」の対策を

急激な温度変化によって血圧が乱高下する「ヒートショック」。高齢者や高血圧の人は特に注意が必要だ。


 年末を迎え、厳しい寒さが続いてきた。きょう・あすは一時的に寒さが和らぐ見込みだが、大晦日以降は再び冷え込みが強まるとされている。暖房の効いた居室と浴室・脱衣所などとの温度差が大きくなりやすいこの時期、特に注意したいのが、急激な温度変化によって血圧が乱高下する「ヒートショック」だ。毎年、浴室での事故として救急搬送につながるケースも多く、専門家は早めの対策を呼びかけている。



【写真】小さいのに部屋全体を暖める「セラミックファンヒーター」5選



■寒暖差の連続が引き金 自宅でできる基本対策



 ヒートショックは、暖かいリビングから寒い脱衣所・浴室へ移動し、さらに温かい浴槽に浸かるといった“寒暖差の連続”が引き金になる。古い家屋に多い断熱性の低さもリスクを高める要因で、特に高齢者が住む家庭では注意が必要だ。脱衣所に電気式ヒーターを設置する、浴室の窓に断熱材を貼るなど、まずは空間の温度差を小さくする工夫が基本となる。



 一方で、離れて暮らす親の入浴環境を完全に把握するのは難しい。そこで近年注目されるのが、IoT機器や見守りデバイスを活用した「遠隔での確認」と「声かけ」だ。



 老人ホーム検索サービス「LIFULL 介護」の小菅秀樹編集長は、1,500組以上の入居を支えてきた“老人ホーム探しのプロ”。豊富な施設取材やメディアでの解説経験を持ち、介護現場の実情にも精通している。



 こうした現場経験を踏まえ、離れて暮らす親のヒートショック対策として有効だと小菅編集長が指摘するのが、次の3点だ。



■専門家が勧める「遠隔×声かけ」の見守り対策



●Wi-Fi機能つき温度計

 脱衣所に設置すれば、家族が離れた場所から室温を確認できる。設定温度より低い場合には「入浴前にヒーターをつけて」と具体的に注意を促すことも可能だ。



●ドア開閉センサー

 浴室のドアに取り付けると、入退室の状況がスマホに通知される。長時間出てこないなど、異変に早期に気付ける。



●スマートスピーカー

 高齢者自身が操作しなくても、家族側から一方的に声を届けられるため、「そろそろ脱衣所を温めてね」と自然なコミュニケーションがとれる。



 また、小菅編集長によると、老人ホームではすでにヒートショック対策が徹底されているという。「脱衣所に大型ヒーターや床暖房を備え、入浴時に大きな温度差を感じないよう工夫されています。自宅でも、入浴の30分前にはヒーターで脱衣所を温めておくなど、温度差を減らす対策がとても重要です」と話す。



 寒さが深まるこれからの季節、家の中の見えない危険を放置しないことが家族の安全につながる。遠く離れて暮らす家族こそ、最新の見守りツールと日々の声かけを組み合わせた“二重の備え”が求められそうだ。

関連記事


最近の記事

茨城の求人情報

https://cpt.geniee.jp/hb/v1/207318/39/instbody.min.js"