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「準ミス日本」でタレント活動も…異色マンガ家の作品がドラマ化、華やかな経歴のウラにある劣等感とは?

ドラマ化された『ゆかりくんはギャップがずるい』(C)あんどうまみ/シーモアコミックス (C)TOKYO MX


 2月5日にドラマがスタートした『ゆかりくんはギャップがずるい』(TOKYO MXほか)。原作はシーモアコミックスの同名マンガだが、実は作者・あんどうまみ先生は、2012年に準ミス日本に輝き、現在は北海道でタレント活動も行うなど、二足のわらじを履いた漫画家。一見、華やかな経歴に見えながら、何度も劣等感や諦めを経験したという。マンガ界が変化したからこそデビューが可能になった、特殊な経歴や考えについて聞いた。



【画像】準ミス日本、あんどうまみ先生の自画像(?)&1話



■マンガ家志望なのになぜミスコン? “準ミス日本”に滑り込むも…「ものすごい劣等感」



 仕事も恋も思うようにいかず、周囲への劣等感や自分への苛立ちから、「人生ままならない…」という葛藤を抱く主人公・芽衣子。アナウンサーを志すも夢破れ、いまはイベント会社で働いている。そんな芽衣子は、副業で専門学校の講師を行うことになり、マジメで可愛い生徒・ゆかりくんを心の癒やしに授業を行う日々。しかし、ゆかりくんは知れば知るほど、意外な一面だらけ。恋愛、生き方、将来の夢。さまざまなギャップと出会い、自分の本当の気持ちに気づいていく──。



 2024年2月期のコミックシーモア毎月マンガ賞銀賞を受賞し、ドラマ化もされた『ゆかりくんはギャップがずるい』。原作者のあんどうまみ先生は、2012年に「準ミス日本」に輝き、その経験をエッセイマンガにしたこともある異色の経歴の持ち主。現在は地元の北海道でタレント・レポーターとしても活躍しているが、なぜマンガを描くことになったのか。本作には、先生自身が経験した挫折や劣等感も織り込まれており、またレポーターの仕事からヒントを得たこともあるそうだ。



──2012年度の『ミス日本コンテスト』で準ミス日本を獲得し、現在も北海道を中心にタレント業をしているそうですね。もともとマンガを描きたかったとのことですが、なぜミスコンに?



 「本当にお恥ずかしい話なんですけど、当時お付き合いしていた方と色々ありまして…。『ムシャクシャする! 絶対に見返してやる!』って、復讐心に近いエネルギーで応募しちゃったんですよね(笑)。その結果、滑り込むような形で準ミスをいただいて。ちなみに、準ミス日本というと『2位だったんだ』とよく誤解をされますが、当時は第6位にあたる賞でした。しかも同期が本当にすごくて、逆にものすごい劣等感を抱えて帰ってきました(笑)」



──マンガ家デビューはその後ですか?



 「ミスコン体験をネタにしたコミックエッセイでデビューさせていただきました。でも、『一生マンガ家で生きていける!?』と夢を見たのも束の間。売上も厳しく、自分の中にエッセイとして描き続けられるほどの引き出しがないことに気づいて。結局、マンガの世界から離れてしまったんです」



――せっかくミスコンとマンガが繋がったのに…。



 「そのあとに始めたレポーターの仕事が楽しくて、マンガは趣味でいいやと割り切ってました。けれど30代後半になったときに、ふと自分の10年後が不安になったんです。もしレポーターの仕事がなくなったら、自分に何が残っているんだろうか? 何もないと思いたくなくて、他にもできることを考えていたとき、今なら、昔よりマンガ家になるハードルがさがっているかも…と気づいたんです」



──マンガ制作のデジタル化など、時代の変化でしょうか。



 「配信プラットフォームも増えたし、デジタルでも描ける。私は筆が遅いのですが、連載でも隔月配信を選択できたりして。時代が変わってハードルが下がり、『今ならできるかも!』と思い立ったんです。まずは自分にどのぐらいの力があるのか知りたくて、趣味で描いていた二次創作の同人誌を封筒に入れて、『私に伸びしろがあると思ったら連絡ください!』という思いでシーモアコミックスに送りつけました(笑)」



──その勢いと行動力が、今に繋がっているんですね(笑)。



 「そうですね。そこから編集者さんと、コミックシーモア毎月マンガ賞の受賞を目指してマンガ作りを始めました。私はもともと、ストーリーマンガを描きたいと思っていて。ここまで色々と寄り道してきたからこそ、経験した劣等感や諦めすらも武器になるのではないかと思っていたんです」



■「ゆかりくん」は“理想の男性像”、夢破れた「芽衣子」には共感



――そうして出来上がった『ゆかりくんはギャップがずるい』は、毎月マンガ賞銀賞を受賞。ゆかりくんは、先生の“理想の男性像”だそうですね。



 「少年マンガが大好きで、『るろうに剣心』の緋村剣心や『僕のヒーローアカデミア』のデクくんみたいに、『見た目は優しくて可愛らしいのに、実はゴリゴリに強い!』っていうキャラクターに目がないんです。ゆかりくんも、普段は無邪気な笑顔を見せるんですけど、実は身体をバキバキに鍛え上げている。職業を刑事にしたのも、“正義の味方”で、誠実かつ真面目な男性であってほしかったから。しかも、内面的には純粋で親切なのに、いざという時は誰よりもクールで頼りになる。そんな“手のつけられないギャップ”を持つ男性こそが、私の考える最強の理想像なんです」



──対するヒロインの芽衣子も、等身大で応援したくなるキャラクターです。



 「芽衣子の設定は、私の事務所の先輩がモデルになっています。ラジオDJをしながら、大学で非常勤講師をされていた経歴が面白いと思って参考にさせていただきました。尊敬している先輩です。芽衣子というキャラクターは明るくて一生懸命ですが、実は『友だちだけが夢を叶えた』という焦りや、人生が上手くいかない『ままならなさ』を抱えているんです」



──その「ままならない」という感覚、先生ご自身も共感される部分が多いですか?



 「常に感じていますね(笑)。でも、振り返ると、その『ままならなさ』『満たされない、ムシャクシャする気持ち』こそが、自分の最大の原動力になっていたと感じます。やってやろうじゃないか!というハングリー精神があったからこそ、得られた経験も多かった。私自身いまだに落ちこんでばかりですが、それすらも飲みこんで楽しく生きていけたらと思っています。芽衣子に対しても、悩みもがくことがあっても一緒に頑張ろう!という気持ちでマンガを描いています」



──現在もレポーターのお仕事とマンガ執筆を両立。先生のマンガは、セリフのテンポが良くて読みやすいと評判ですが、そこにもレポーターの経験が?



 「担当さんからも『セリフの文字数が少なくて伝わりやすい』と褒めていただいたことがあって。レポーターの仕事は、いかに短い言葉で、視聴者に心地よいテンポで情報を届けるかが勝負なんです。それが無意識のうちにセリフ作りにも生きているのかもしれませんね」



──そんな本作がいよいよドラマ化。決まった時のお気持ちはいかがでした?



 「最初に聞いた時は、『いやいや、絶対そんなわけないよ!』と信じていませんでした(笑)。でも実際に撮影現場に行かせていただいて、主演の高尾颯斗さんや渡邉美穂さんが演じている姿を見て、ようやく本当なんだと震えました」



――先生の理想であるゆかりくん役の高尾さんは、どう感じました?



 「事前にいろいろ拝見していたんですが、SNSではクールな印象だった高尾さんが、オフの動画ではすっごくキラキラした笑顔で笑っていて。その瞬間に『あ、この方もゆかりくんと同じギャップの人だ!』と確信しました。第1話でゆかりくんが風に飛ばされたプリントをキャッチするシーンがあるのですが、現場で高尾さんの素晴らしい身のこなしを目の当たりにして、本当に感動したのを覚えています」



──原作は現在11話まで配信されていますが、今後はどのような展開に?



 「やっと2人の想いが通じ合いましたが、担当さんとは『ここからが“ままならなさ”の本番だよね』と話しています。付き合ってゴールではなく、誰かと一緒に生きていく中で生じる新たな“ままならなさ”とどう向き合っていくか。恋愛だけじゃなく、芽衣子自身のキャリアについても描いていきたいと思っています」



──最後に、ドラマ視聴者、読者の皆さんにメッセージをお願いします。



 「私が大好きなスピッツの『手毬』という曲に、 『かなり思ってたんと違うけど面白き今にありついた』という歌詞があるんです。その考え方がとても好きです。私はフラフラ寄り道ばかりで、劣等感にすぐ飲み込まれますけど、それがあったから今の私があり、本作が生まれました。今、腐ってしまいそうだったり、思い通りにいかない現実に泣きたくなっている人もいるかもしれません。でも、目の前のことを一つずつ頑張っていれば、忘れた頃にその経験が芽吹いて、想像もしなかった楽しい未来が待っているはずです。このマンガを読んで、『もうちょっとだけ頑張ってみよ

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