【エンタメ総合】
『リブート』坪井敏雄監督が語る制作舞台裏 “リブート手術”は段階的に撮影

日曜劇場『リブート』の場面カット(C)TBS


 俳優の鈴木亮平が主演を務める、TBS系日曜劇場『リブート』(毎週日曜 後9:00)。今回は本作で演出を手掛けた坪井敏雄監督にインタビュー。裏社会を舞台とした本作ならではの演出手法やこだわり、撮影エピソードなどを語ってもらった。



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■裏社会のリアルと“医療情報”を徹底リサーチ



――今作では事前にかなり入念な準備をされて撮影に臨まれたとお聞きしましたが、具体的にどのようなことをされたのでしょうか?



まず行ったのは徹底したリサーチです。今回は裏社会が主な舞台になるので、(裏社会の)監修で入っていただいた丸山ゴンザレスさんとしっかりお話させていただきました。どこまでを本編で描くかは別として、ここでは言えないようなリアルな裏社会の話をかなり深いところまで伺いました。



その中から必要と思われる要素をピックアップして、さまざまな設定や背景にも反映させました。また“リブート”するための医療関係の情報についても、事前にかなりの時間を割いて調査しました。



■手間暇を惜しまず作り上げた、早瀬から儀堂への“リブート過程”



――脚本の黒岩勉さんと東仲恵吾プロデューサーからも、坪井監督は早瀬陸(演:鈴木亮平/リブート前:松山ケンイチ)が儀堂歩(演:鈴木・二役)に“リブート”していく様子を描いた一連のシーンに、かなりこだわりを持たれていたという話を伺いました。



手術過程のシーンに関しては、リブートすることがどれだけ大変なことなのかということを、視聴者の方にもちゃんと伝えたいという部分と、全体の展開としても儀堂になり代わったことで物語が進んでいくので、そのきっかけをしっかり描きたいという思いがありました。



そこからリサーチの結果も踏まえて、その過程の中でどのように顔を変えていくか、体はどこから作っていくかなど、いろいろとシーンに合わせた段階を設計しました。仕上げとなる最終段階は、亮平さん自身が特徴的な耳を最後に整形したことにするという設定にしました。



――段階を踏んでの撮影には、かなり時間を掛けられたのでしょうか?



そうですね。ただ顔を変えるだけではなく、声や体格を変えるための手順も考えていく中で、どういった手術が必要なのか、その手術をすることによって、どういう状態になるのがリアルなのか、という部分も詰めていきました。



実際の撮影時には、お二人に同じカットの中で同じお芝居をしていただき、松山さんから亮平さんに変わっていく全ての過程のグラデーションを撮らせてもらいました。撮影後は、その映像を並べて編集しながらリブートしていく過程を組み上げていく、といった形であのような本編映像に仕上げていきました。



■日常の中に紛れ込む“裏社会の空気感”



――今作の主な舞台となる裏社会ならではの世界観や空気感について、どのように映像へと落とし込まれていったのでしょうか?



裏社会は表の世界と表裏一体で、気付かないだけで身近に存在しているものというか、「実はそうだったんだ」ということも、わりとあると思うんです。



これもゴンザレスさんと共有させていただいたことなのですが、劇中でも描かれた「弁護士事務所だと思っていたら、実は闇バイトの名簿作りをしていた」といったような、日常の中に紛れ込んでいる空気感は意識していました。



――パティシエ役を演じた鈴木さんと松山さんのお二人は、事前にかなり練習を重ねられたとお聞きしています。スイーツを扱うシーンについてはお二人とどのようなお話をされていたのでしょうか?



事前準備として、まず松山さんにケーキ作りの練習を始めていただきましたが、その後に亮平さんが同じ早瀬として同様の動きをしなければならないことを考慮して、この器具はこう持つ、といったように特徴的な動きを具体的に決めていった部分はあります。



亮平さんが実際にケーキを作るシーンは、事前に松山さんが練習されていた映像や、撮影済みのシーン映像なども全てご覧になっていたので、そこから細かい動作などを“抽出”して、ご自身のお芝居に取り入れられたのだと思います。



■かわいそうで笑える“一香vs麻友”の修羅場シーン



――今作は毎回のようにさまざまな匂わせやどんでん返しのシーンがありますが、これまで(第7話まで)の中で、印象に残っている撮影中のエピソードを教えてください。



第1話の松山さん演じるリブート前の早瀬が、息子の拓海(演:矢崎滉)と最後に別れる公園でのシーンが、僕の中ではすごく印象に残っています。早瀬の「ここからがリブートのスタートだ」という決意と「絶対に家族を守る」という強い意志を感じました。



また、松山さんの撮影にはいつも亮平さんも立ち会われていたのですが、そのシーンの様子を見つめながら現場で涙されていたことを、後から知りました。実は僕も自分で撮りながら少し目頭が熱くなっていたのですが、それぐらい胸に迫るようなシーンでした。



一方で「楽しんで撮ったな」と思ったのは、第2話から第3話にかけての一香(演:戸田恵梨香)と麻友(演:黒木メイサ)の修羅場のシーンです。目の前にいるのは儀堂と思っている麻友と、事情を知りながらも麻友に突っかかる一香との間に挟まれて、ただオロオロしている早瀬の姿が「かわいそうだな」と思いながらも笑ってしまいそうになりました(笑)。



――いよいよ物語も終盤を迎えますが、ご自身が思われる第8話からの見どころを教えてください。



いまだに謎を残す一香の言動や100億円の行方など、早瀬は引き続きさまざまな出来事に巻き込まれていくと思いますが、そういったサスペンス要素とはまた別の、本作の軸でもある“家族愛”にまつわる話がより深く描かれていきます。ぜひその点にも注目していただければと思います。

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