【エンタメ総合】
中山求一郎、“4/1016”でつかみ取ったチャンス 新国立劇場主催公演へ初出演「『どうしてもやりたい』という強い思いがありました」

中山求一郎


 俳優の中山求一郎が14日、東京・新国立劇場小劇場で行われた舞台『エンドゲーム』の囲み取材に出席。1016人の中からチャンスをつかみ取った本作への覚悟や、自身の挫折を糧にたどり着いた独自の俳優哲学について熱く語った。



【動画】中山求一郎が出演した中島美嘉「The Moment」ミュージックビデオ



 本作は、新国立劇場の小川絵梨子芸術監督による〈フルオーディション企画〉の最終作となる第8弾。1016人の応募者の中から選ばれた4人のキャストが出演し、中山はその一人としてクロヴ役に抜てきされた。舞台や映像作品で着実にキャリアを重ねてきた中山にとって、新国立劇場主催公演への初出演となる本作は、大きな節目となる一作となる。



 報道陣の前に姿を現した中山は、「非常に新鮮な気持ちです。緊張……緊張もしていますが、ありがたさの方が勝っています」と少々硬めの表情。一方で「何より、今日は皆さんの「お仕事ぶり」を間近で見られて、個人的にはワクワクする気持ちが強かったです」と言い、「実は昔、記者になりたかったんです。父親がテレビ局で記者をしていた影響もあって、大学も新聞学科に通っていました。かつて憧れた職業の方々の前でお話しできていることが、とてもうれしいです」と明かした。



 本作のオーディションに参加したことについては、「演出の小川絵梨子さんとご一緒できるということが、まず一つ大きかったです」と言い、「この戯曲も、もともと本を持っていて『どうしてもやりたい』という強い思いがありました」と強い気持ちを吐露。合格した時は「まさか選んでいただけるとは思わなかったので、ものすごくうれしい気持ちと動揺が走りました。周りの役者仲間や先輩・後輩もみんな『おめでとう』と言ってくれて、身が引き締まる思いです」と素直な心境を明かした。



 実際に。小川さん演出の稽古については「現場はみんな朗らかでハッピーな、素晴らしい環境です。小川さんの演出は、お互いに自分を開示し合いながら対話していくような、非常に有意義なものです」といい、「小川さんからは「『どうでもいい』というふうに演じないでほしい」と言われています。演者が世界をどうでもいいと見ていると、お客さんもそう見てしまう。その向き合い方は、今後自分にとっても重要な言葉になる予感がしています」と手応えを感じている様子。



 自身が演じる「クロヴ」という役どころについては、「僕が演じるクロヴは、足が不自由でうまく歩けない、老人(ハム)に仕えている役です。『ここから出ていきたいけれど終わらせられない』『死にたいけれど死ねない』という思いを背負っています」と説明。「実は自分の性格ともシンクロする部分があって、本音を隠しがちなところや、ぶつかりきれない部分は共感性が高いと感じています。今、世界中で戦争が起こっていたりして『明日、世界が終わるかもしれない』ということがリアリティーを持っている状況だからこそ、上演される意味がある作品だと思っています」と伝えた。



 1957年の初演から半世紀以上にわたり、世界各国で上演され続けているサミュエル・ベケットの不朽の名作『エンドゲーム』は、終末的な状況下、出口のない空間に閉じ込められた4人の登場人物による、絶望と反復の日常を描いた不条理劇。タイトルが示す通り「終盤戦」を意味するチェス用語になぞらえ、逃げ場のない状況の中で“終わり”と向き合う人間の姿を浮かび上がらせる。



 中山は、1992年5月16日生まれ、埼玉県出身。愛称は「きゅうちゃん」。2015年に、橋口亮輔監督の映画『恋人たち』のオーディションを受けてデビュー。以降、映画、ドラマなどさまざまな作品に出演しており、26年2月には、中島美嘉「The Moment」のミュージックビデオにも出演した。





■中山求一郎一問一答



――俳優を辞めようと思ったこともあるそうですが、踏みとどまれた理由は?



【中山】オーディションに受からなかったり、仕事が全くない時期が長くて、なかば病んでいるような感じだったこともありました。でも、これまで映画や演劇で感動してきた言葉やシーンに支えられてきました。あとは、不器用でこれ以外のことができなさそうだなという、いい意味での諦めもあります。先輩の岩谷健司さんから聞いた「俳優は売れる・売れないの『縦軸』ではなく、今面白くあるかという『横軸』でやっていくべき」という言葉も、今の僕の金言になっています。



――ターニングポイントになった作品や、今の支えになっているものは?



【中山】デビュー作の『恋人たち』と、昨年の舞台『勝手に唾が出てくる甘さ』です。プロの現場の厳しさを知ったデビュー作と、素晴らしい役者さんたちとご一緒して「この人たちと同じ土俵でやっていきたい」と強く思った昨年の舞台は、自分の中で大きなポイントになりました。苦しい時は、仲間の俳優である藤原季節くんらと語り合ったり、好きなサッカー観戦でリフレッシュしたり。特に日本代表の遠藤航選手が強敵相手に諦めずに戦う姿には、いつも勇気をもらっています。



――最後に、今後の展望、そしてファンの皆様へのメッセージをお願いします。



【中山】実は今、自分で映画を撮りたいと思って脚本を書いています。挑戦したいことは尽きません。あとは、僕自身がそうであるように、「生きづらい」「一人だ」と感じている人たちへの「架け橋」になれるような俳優を目指していきたいです。今回のような素晴らしい舞台に立てることを証明し、お芝居を通して皆さんに何かを届けていきたいと思っています。



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