国債利率、12年ぶりに1%台



財務省は2日、7月3日に発行する10年物国債の入札で、国債の買い手に支払う利子の割合を示す「表面利率」を6月までの年0・8%から1・1%に引き上げた。1%台にするのは2012年4月以来、約12年ぶり。日銀が13年4月に大規模な金融緩和策を始める前の水準となった。
国債は国が借金するために発行する債券で、10年債は元本が返済されるまでの期間が10年のもの。債券市場では長期金利が上昇傾向にあり、固定型の住宅ローン金利を引き上げる動きが出ている。国の借金にも金利上昇が波及した形だ。国債の利払い費が増加し、国は一段と厳しい財政運営を迫られる。
国債は買い手となる金融機関を毎月の入札で決める。新しく売り出す国債の表面利率が市場の金利より低いと魅力が乏しく、落札額が額面を下回る恐れが生じる。財務省は安定的に資金を調達するため、実勢に合わせて原則3カ月に1度、利率を見直している。
日銀は今年3月に長期金利の誘導目標や上限の撤廃を決めた。こうした動きを背景に、長期金利が上昇基調となっている。
(共同)

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