文化庁、文化財修理記録をDB化



文化庁は、全国に約5500棟ある国宝・重要文化財の建造物について、国や自治体、所有者が持つ点検・修理記録を一元化したデータベース(DB)づくりに乗り出す。DBを基に、最適なメンテナンスの周期や手法を検討し、維持管理費の抑制につなげる狙いがある。2029年度をめどに完成を目指す。25年度予算の概算要求に関連経費1億5千万円を盛り込んだ。
文化財は現在、劣化がひどくなってから修理する「事後保全」が一般的だが、文化庁は、早い段階で小規模な修理を繰り返す「予防保全」の取り組みを広げたい考え。一度に多額の改修費が必要になる事後保全に比べ、長期的に見ると維持管理費が抑えられると見込むためだ。
寺社や個人、小規模自治体が所有者の場合、文化財修理のノウハウが乏しいケースが少なくない。DBで他の修理事例を参照できるようにすることで、適切な修理の時期や対処法を判断するのに役立ててもらう。
文化財ごとの劣化状況や修理方法は多種多様。DBにどのような情報があれば計画的な対応に役立つのか、民間事業者と協力して研究を急ぐ。
(共同)

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