認知症でも地域で安心して生活
政府は29日、認知症施策の指針となる基本計画をまとめた。今年1月施行の認知症基本法に基づく初の策定。本人の意思を尊重し、認知症になっても地域で安心して生活できる「新しい認知症観」の普及を重点目標に掲げた。推進する施策として、本人の社会参加の機会確保など12項目を盛り込んだ。12月上旬の閣議で正式決定し、おおむね5年ごとに見直す。
首相官邸で開催した認知症施策推進本部で、石破茂首相は「当事者が住み慣れた地域で、周囲とのつながりから希望を持って暮らし続けられる社会の実現が必要だ」と述べた。認知症の高齢者は2022年の443万人から、40年に584万人に増えるとの推計があり、対応を急ぐ。
重点目標は「本人の意思尊重」「地域で安心できる暮らし」「新たな知見や技術の活用」を含む4点。
推進施策のうち、社会参加は、孤立を防いで生きがいを持って暮らせる環境をつくるのが目的。当事者同士で悩みを話し合う「ピアサポート活動」を後押しし、自らの経験に基づく情報を発信する「認知症希望大使」の活動を支援する。
(共同)