連邦管理海域で掘削阻止
【ワシントン共同】バイデン米大統領は、連邦政府の管理下にある広い海域で原油や天然ガスの掘削を阻止する方針を固めた。ワシントン・ポスト紙電子版が4日報じた。気候変動対策を柱とする政権の政治的遺産にし、化石燃料の積極開発を掲げるトランプ次期大統領との対比を際立たせる狙い。
バイデン氏は、議会がトランプ氏の大統領選当選を公式に認定する6日に、大西洋や太平洋、メキシコ湾、アラスカ沖の計約250万平方キロに及ぶ水域を開発用に貸与しないとの大統領覚書に署名するという。トランプ氏は就任後、議会多数派の共和党と連携して撤回を図る可能性がある。
メキシコ湾は米国の原油生産の14%を占め、開発制限の影響が特に大きい。産業界からは将来のエネルギー安全保障を懸念する声が上がった。アラスカ沖はホッキョククジラなど海の哺乳類の生息域として知られ、環境団体は生態系保護につながると歓迎した。
バイデン政権は昨年12月、国際枠組み「パリ協定」に従い、排出を2035年に05年比で61〜66%削減するとの目標を掲げた。
(共同)