4日目に早過ぎる綱とり終焉

 結びの一番を土俵下で見届けて、引き揚げる琴桜=両国国技館
 結びの一番を土俵下で見届けて、引き揚げる琴桜=両国国技館


普段は粘り強い琴桜が、なすすべなく土俵を割った。55年ぶりの横綱同時昇進に期待が高まった中で、先場所覇者の挑戦は4日目に早過ぎる終焉を迎えた。負け残りの土俵下でぼうぜんとした表情を浮かべ、喪失感の大きさをうかがわせた。
過去3勝11敗と苦手の霧島戦。立ち合いは迫力に欠け、腰高で最後まで左上手は引けずに防戦一方だった。風呂から上がった後の支度部屋では、報道陣の質問にしばらく沈黙。「切り替えます。切り替えていくだけです」と言葉を絞り出した。
先代師匠で祖父の元横綱琴桜に並ぶ最高位は近そうで遠かった。初日から硬さが目立ち、先場所のような攻撃相撲が影を潜めた。4日目の朝も「まだ場所は終わっていない。目の前の一番に集中する」と語っていたが、一度狂った歯車は戻らなかった。
場所前の横綱審議委員会による稽古総見から本調子に程遠かった。
大きな目標を失うも、八角理事長は「経験だけで終わったらいけない」と説く。気迫あふれる相撲を取り戻すことが、次の挑戦につながっていく。
(共同)

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