地域支援組織で孤立防止を



犯罪防止や刑事司法の研究を通し、国際社会に貢献する国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI)が昨年、単独でテロなどを実行する「ローンオフェンダー」による日本の事件を分析した論文をまとめた。法務省から派遣中の職員が、海外の研究を用いて日本特有の状況を分析。孤独な環境で個人的な不満を増幅させる傾向があるとし、孤立を防ぐため地域に単身者向け支援施設を設立することなどを提案した。
企画したのは法務省矯正局から派遣された調査専門家山本麻奈さん。赴任した2022年7月に安倍晋三元首相銃撃事件、23年4月には岸田文雄前首相襲撃事件が発生し、欧米で相次いだ単独テロとの違いを研究することにした。
論文では、1999年の東京・池袋の通り魔事件以降に発生した17件を分析。判決が確定した事件で、政治的もしくは宗教的な意味合いや、イデオロギーが背景にあるとみられるのは2016年の相模原障害者施設殺傷事件のみ。欧米と違い、日本は生活苦や社会への怒りなど個人的な動機に基づき行動するパターンが多いことが分かった。
(共同)

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