ドゥテルテ氏の誕生日に連帯デモ

【マニラ共同】フィリピンの薬物犯罪対策「麻薬戦争」に絡んで逮捕され、国際刑事裁判所(ICC)に引き渡されたドゥテルテ前大統領が28日、80歳の誕生日を迎えた。支持者らは南部ミンダナオ島ダバオを中心に前大統領との連帯を示す抗議運動を展開した。警察によると、ダバオでは約6万人がデモに参加した。
ドゥテルテ氏はICCのあるオランダ・ハーグで拘束中だが、ミンダナオ島では今も圧倒的な人気。マルコス大統領との政争の末に容疑者としておとしめられ、不当に外国に追いやられたとの怒りが渦巻く。長女サラ副大統領も、マルコス氏に報復する「殺し屋を雇った」との爆弾発言などで、上院が7月に弾劾裁判にかける見通しだ。支持者らはサラ氏を象徴する緑色の服を着て街頭に集まった。
5月には中間選挙が予定され、ハーグ滞在中のサラ氏は「前大統領への支援と愛が上院選にも及ぶよう願っています」との誕生日の声明を出した。28日は下院議員や地方自治体の首長などの選挙運動も始まった。
ドゥテルテ陣営の支持者はミンダナオ島住民や低所得者層が中心。麻薬戦争で治安が改善したとの評価も根強い。
(共同)