有権者に小切手1・5億円

【ワシントン共同】トランプ米政権で要職を担う実業家マスク氏が、中西部ウィスコンシン州の最高裁判事を選ぶ4月1日の選挙を巡り、有権者2人に100万ドル(約1億5千万円)の小切手をそれぞれ渡し、物議を醸している。保守派候補の当選を狙う強引な介入で、批判の声が出ている。
同州は24年大統領選の激戦州の一つで、共和党のトランプ大統領が民主党のハリス前副大統領に僅差で勝利した。今回の選挙は第2次トランプ政権に対する最初の信任投票の様相を呈している。
選挙はリベラル派判事の引退に伴い実施される。保守派候補が勝てば7人の判事のうち、保守が多数派を占めることになるが、リベラル派候補の優勢が伝えられる。トランプ氏は3月31日、交流サイト(SNS)でリベラル派候補が勝てば「ウィスコンシン州と米国に災難となる」と訴えた。
マスク氏は3月30日、同州で開いた集会で「活動家の判事」に反対する嘆願書に署名したとして、有権者2人に小切手を手渡した。保守派候補への投票の見返りではなく、署名や広報活動への報酬と主張している。
(共同)