教皇訪問の被爆地から悼む声

 「焼き場に立つ少年」のパネル写真を傍らに置き、演説で核廃絶の必要性を訴えるローマ教皇フランシスコ=2019年11月、長崎市の爆心地公園
 「焼き場に立つ少年」のパネル写真を傍らに置き、演説で核廃絶の必要性を訴えるローマ教皇フランシスコ=2019年11月、長崎市の爆心地公園


2019年に被爆地の広島と長崎を訪問し、核兵器の保有を非難したローマ教皇フランシスコの死去に、当時面会した被爆者らから「残念だ」「私たちの味方だった」と悼む声が上がった。
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の箕牧智之さん(83)は広島市の平和記念公園で、教皇に「世界の政治家に戦争をやめるよう呼びかけてほしい」とつづった手紙を手渡した。「世界に平和を訴えてほしかった」と悲しそうに語った。
広島市で面会した被爆者でカトリック信者の森佳代子さん(82)は「核廃絶を訴える姿を見て、私たち被爆者の味方だと強く感じた」と話した。
長崎市の爆心地公園で行われたスピーチに長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の会長として立ち会った田中重光さん(84)は「激しい雨が降る中、被爆者のため、平和のために長時間祈りをささげる姿が印象的だった」と惜しんだ。
被爆者の森内実さん(88)=長崎県長与町=は「自分の国の利益ばかり考える最近の世界のリーダーにも、(教皇が)発信してきた平和の思いをくんでほしい」と願った。
(共同)

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