台風ヒントの簡易建物が大ヒットした大和ハウス工業

住宅メーカー大手の大和ハウス工業。創業者の石橋信夫は太平洋戦争後のシベリア抑留を経て故郷の奈良県で家業の林業に携わった。1950年の大型台風で稲や竹が倒れていないのに気づいて、同じように中が空洞の鉄パイプを使った建物を思いつく。1955年にパイプハウスを専門で手がける大和ハウス工業を大阪市で設立した。(共同通信=出井隆裕記者)
速く安く簡単に建てられるパイプハウスは国鉄(現JR)での採用を皮切りに簡易倉庫や事務所の需要を獲得した。1959年には勉強部屋サイズのミゼットハウスを発売し「3時間で建つ家」として大ヒット。これがプレハブ住宅の原点となった。
その後は住宅メーカー大手に成長するとともにホテルやホームセンター事業などに進出して経営を多角化。2000年代に入り小田急建設とフジタを傘下に収めてゼネコンの機能をグループ内に取り込んだ。
今年、創業70年を迎えた。一戸建て住宅は「xevo(ジーヴォ)」ブランドなどを展開。住宅に加え、建設や不動産と事業領域は幅広く、連結売上高は5兆円の規模を誇る。
(共同)