「事故車両公開を」、遺族の2割

 尼崎JR脱線事故の現場に整備された「祈りの杜」の横を通過する電車=24日夕、兵庫県尼崎市
 尼崎JR脱線事故の現場に整備された「祈りの杜」の横を通過する電車=24日夕、兵庫県尼崎市


尼崎JR脱線事故の車両保存施設を巡り、JR西日本が亡くなった乗客106人の遺族を対象に公開の是非を尋ねた結果、「一般公開すべきだ」と答えた人は回答者の約2割に当たる23人だったことが24日、関係者への取材で分かった。「限定的に公開すべきだ」「公開に反対」もそれぞれ23人だった。
JR西は24年11月、大阪府吹田市の同社敷地内に事故車両の保存施設を原則非公開で整備する方針を公表、今年12月末ごろの完成を目指し建設を進めている。遺族や負傷者を要望に応じて案内する。この他、運輸事業者の安全担当者や、救助に携わった関係者らに限って公開する。
長谷川一明社長は今月18日の取材に「社会の中でいかに事故が悲惨なものだったかを理解してもらうことは望ましい」と公開の意義を認める一方で「現状では(遺族の中に)否定的な考えの方がおり、それを乗り越えて直ちに今公開することには踏み切れない」と明かした。
聞き取りは19年に実施し、亡くなった106人中100人の遺族が意見を寄せた。犠牲者1人につき複数人が回答した遺族もあり、総数は百十数件に上る。
(共同)

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