尼崎脱線事故の安全対策継続を

乗客ら107人が死亡した2005年の尼崎JR脱線事故から20年となった25日、兵庫県尼崎市の事故現場にある追悼施設「祈りの杜」には多くの遺族や負傷者らが訪れ、犠牲者を悼み献花をした。
JR西では今春、事故後に入社した社員が全社員約2万5千人の7割を超えた。25日午、取材に応じた長谷川一明社長は「(JR西と)遺族や負傷者との関係、私たちの責任は変わらない。反省と教訓を世代を超えて共有して努力を重ねていく。社員がどんどん入れ替わっていく状況を強く認識する必要がある」と述べ、社員に安全意識を根付かせる決意を語った。
次男昌毅さん=当時(18)=を亡くした神戸市北区の上田弘志さん(70)は慰霊式後「JR西は(事故を)風化させないと言いながら、若い社員にほとんど伝えていない」と注文を付けた。
事故を巡っては、業務上過失致死傷罪で歴代4社長が起訴されたが、いずれも無罪が確定。遺族らは大規模事故などで法人も処罰できる両罰規定を盛り込んだ特別法の制定を求めている。
(共同)