日比、情報協定締結へ議論

【マニラ共同】石破茂首相は29日、フィリピンの首都マニラでマルコス大統領と会談した。機密情報の交換を可能にする「情報保護協定」締結に向けた議論開始など、安全保障分野の協力を拡大する方針で合意した。東・南シナ海への進出を強める中国を念頭に、力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対することで一致した。トランプ米政権による関税措置を巡り協議し、首相は「より良い解決を目指す」と伝えた。
会談後の共同記者発表で、首相は「日本とフィリピンは同盟に近いパートナーになった。大切な隣人との絆をさらに強めていく」と強調。マルコス氏は「民主主義制度と法に基づく国際秩序を堅持する理念を共有する日本と戦略的パートナーシップを強化し続けることに期待している」と語った。
両首脳は会談で、自衛隊とフィリピン軍が水や食料といった物資などを融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の交渉入りで合意した。米国を含む日米比3カ国協力の深化を通じ、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋実現に向け、緊密に意思疎通することを申し合わせた。
(共同)