水俣病被害者「がくぜんとした」

 患者団体独自の慰霊祭で手を合わせる坂本しのぶさん(手前)=1日午後、熊本県水俣市
 患者団体独自の慰霊祭で手を合わせる坂本しのぶさん(手前)=1日午後、熊本県水俣市


浅尾慶一郎環境相と水俣病被害者団体との懇談が2日間にわたって行われたが、被害者らの要望への前向きな回答は見られなかった。1年前に発言を遮断されたことへの不信感が募る中、浅尾氏は初日の懇談で、マイクを3分で切るシナリオがあったことを「認識していなかった」と発言。問題の詳細な経緯を把握できていない状況に、団体側からは「がくぜんとした」と反発の声が相次いだ。
水俣病被害者の会の中山裕二事務局長(71)は「シナリオから事を発しているという意味では(問題の)原点で、マイク切りの本質を最も表している文書。当然引き継がれているものだと思っていた」と話す。浅尾氏の説明に「がくぜんとした。環境省が正面から受け止めず、総括ができていないことが明らかになった」と批判した。
手元の書面に目を落としながらの回答が目立った浅尾氏。
胎児性患者の坂本しのぶさん(68)は報道陣の取材に「大臣は変われるけど、私たちは何遍も同じことを言わないといけないと思うと悔しい」と憤りを見せた。
(共同)

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