クマ出没、例年より増加か

北海道や東北など各地でクマの目撃が相次いでいる。冬眠明けの5月は餌を求めて活発に動き始めるため、山菜採りで山に入ったり、農作業をしたりする際には注意が必要だ。専門家は「昨シーズンは主食のドングリが豊作で、繁殖が活発だったとみられる。例年より出没が増える可能性が高い」として警戒を呼びかける。
クマは毎年3〜5月に冬眠を終える。それに伴い親子連れが動き出し、繁殖期を迎える雄も行動範囲を広げる。青森県は今年4月の出没件数が過去5年間の平均の2倍を上回ったことから5月1日に「ツキノワグマ出没警報」を発表。三重県なども被害を未然に防ぐため注意報を出した。
環境省によると、ツキノワグマの分布域は2018年度までの15年間で約1・4倍に拡大。本州の多くの地域で人の生活圏周辺に近づいている。1990年ごろ5千頭前後だった北海道のヒグマも2022年には約1万2千頭と2倍以上に。いずれも保護政策への転換や中山間地域の人口減少などが影響したとみられる。
(共同)