独、メルツ新政権発足

【ベルリン共同】ドイツで6日、第1党の保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツ氏(69)が首相に就任、第3党の中道左派、社会民主党(SPD)との連立政権が発足した。メルツ氏は連邦議会(下院)の首相指名選挙の第1回投票で過半数を獲得できず、戦後初となる2回目の投票で選出された。ドイツの政治的混乱が浮き彫りとなる異例の事態で、メルツ氏の求心力に疑問符が付いた。
昨年11月のショルツ前政権の崩壊から続く政治空白は解消。トランプ米政権が欧州軽視の姿勢を強める中、欧州の安全保障強化やウクライナ支援でドイツの指導力が試される。
2月の総選挙では移民排斥派の極右、ドイツのための選択肢(AfD)が第2党に躍進。CDU・CSUとSPDはAfDの政権参加阻止のために連立合意したが、SPD内では移民政策の厳格化など保守路線への回帰を推し進めるメルツ氏に対する反発が出ていたほか、社会保障政策などを巡る溝も残っていた。
新政権の安定運営にはAfD対策が重要となる。
(共同)